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2023年7月10日 (月)

音楽備忘録1424 音環境の変遷①

手を変え品を変え音の硬過ぎ包囲網を忌避してるのは齢のせい?、幾らかはそれがあるのは否定出来まへん。
けど近年により頑強に抵抗心が芽生えたのは何故、ったら生活環境音が昔とは随分違ってるじゃないの。

どうやらそれに依っても音楽に求める物が変化したらしく、このシリーズでは外堀を徹底的に埋めてご覧に入れやしょう。
最近人生がハッキリ後半に入って、過去記憶の再確認がしたくなってね。

そんでYoutubeで色々古いのを漁ってんだけど、そしたら工事の騒音っつうのがまるっきり変ったのが印象に残った。
昔ってのは昭和の事でそれが’80年代以前なんだが、今みたいな騒音規制等が無かったからそらぁもう酷いもんだったんだ。

今より音量的にかなり大きかったのもだが、それ以上に音質が過酷だったのよ。
先ず典型が所謂「杭打機」で、巨大ハンマーでガツン カツンとやってたんだ。

今は恐らく油圧とかでじわじわ押込んでるんだろうが、当時のハンマーは当然人力なんかじゃ持上げられないから機械で引っ張り上げて。
で所定の高さ迄上がったら、後は引力で自然落下させてホントに杭を叩く。(しかも殆どカバーとかが無く剥き出し!)

から振動だって半端無いけど主に金属同士のぶつかり合いだから、そん時凄い衝撃音が爆音で出てたんだ。
他にも道路工事等で地面を叩く機械のが凄く、近付けば会話不能な爆音でそれ等の不快音が至る所でこだましてたん。

それをキッカケに少し拡げてってみると、花火以外で小学生とかが火薬の爆裂音に触れる機会が何時の間にか無くなってるな。
当時の世間の安全基準はバカやれば被害があっても当然ってな具合で、悪戯坊主は幾らも気にせずかなり危ない橋を渡ってた。

つまり耳の側で爆発させりゃ無事では済まず、俺自身も耳の安全回路が作動して数分位何も聴こえなくなった経験はあった。
そんな風に生活雑音で望まぬストレスに晒される日常だったから、幾らワイルドな爆音でもそれが楽しみ目的のだったら今みたいな硬いのは誰も欲しがらなかったんだよ。(技術的にも不可能ではあったけど…)

色んな再生機器でも音量の定義が今とは違うのが多く、どれも今比じゃすぐに歪み出して喧しくなるから歪む手前に留めるのが常識だったかな。
絶対的音量では工事騒音等以外は今よりかなり控え目も、音色が凄い事になって堪らんからそんなにしてたんだよ。

それも嫌でも音量不足から歪みに堪えなきゃならない場面が多数あり、そう云う意味では世間一般人が皆Metal Guitaristみたいな歪みの洗礼を受けてたんすわ。
この観点からしたら実は今の爆音マニアの方が、歪みを聴くトータル時間はきっと全然短いよ。

そんな世界が嫌で音響屋は出力余裕や歪み率低減に腐心して、折角クリーンな音世界が獲得出来たのにね。
したっけ一部の者が刺激不足を感じたか知らんが、わざわざ過硬音質や過圧縮音圧にするんだから馬鹿としか言い様が御座居ません。

-続-

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