音楽備忘録1419 ノリを育む方法⓳
項が進むにつれ俺言いも溜って来たんで、それを順に掘り下げとこう。
最初はグルーヴのスケールについてで、仮に大きいとか小さいって一体何なんだから。
世の中には色んな分類・解析の仕方があるだろうが、俺は同一グルーヴの継続時間を1つの目安にしてるんだ。
実際の楽曲にベストな状況にしようとすると、前回述の如くずっと同じとか1種類だけでフィットさせられる事は少ない。
さしものIsleysだって継続時間が長く種類を最低限にはしてるが、最も得意なのが長く多く印象深くなってるだけで全く不変にはしてないんだ。
それが分り易いのがミディアムテンポのBalladeで、キメは重くしてあっても普通の歌バックの部分はニュートラルにタイミングになってんだ。
では大小に加減するニーズは何かってば、フレーズ次第で同テンポで奏でてもそう聴こえないのがままあるからだ。
それを逐一調整するとしかし全体の流れは今一落着きの足りないのになり、全く変えなきゃ無表情になる上部分的に緩慢な印象の箇所が出来てまう。
ので人力天然状態では上記の間の何某かで普通は演られてるが、グルーヴを最重視すると流れの変化は最小な程良い。
飽きない範囲で同じのが続くのが聴者には乗るのが一番楽で、要するに想定通りに次が来るから外した際復帰が簡単になるんだ。
なので人次第てばビッグスケールのグルーヴを重視したりするが、それを成すには不変リズムの上で幾らでも変化をリズム以外で与えてやる必要がある。
処が大きいノリを好む者に限って大抵は変化スキルに乏しく、言い訳に利用してるだけなのは困ったもんだ。
そもそもグルーヴとは踊れるとか踊るのに好都合なものであるから、誰もちっとも踊りたくならない様な曲でやっても無意味なんすよ。
無論細か過ぎたり主軸がどれか分からない様じゃそれも駄目だが、上手くその曲のメイングルーヴを打ち出せてれば縛られる必要は全く無いん。
Isleysの例では言わば「俄かダンサー」に配慮して、適宣「休憩箇所」が設けられている。
バリバリのプロダンサーなら兎も角、一般人にはそんな体力や振り付けスキルなんて無いからね。
この面では演奏継続時間体験もかなりものを言い、演る方も観客の方もヘトヘトになる迄続けると自然と加減が身に付くんだけどね。
残念乍ら今劣化本邦では「ハコバン」なるものがほぼ死滅してるんで、自ら意図的に企てないとそんな経験を積めなくなっちまった。
因みにハコバンっつっても色んなのがあったけど、その嚆矢はやはりゴーゴー・ディスコ等お客を踊らせる店のだろう。
レコードやCDでは「一回り延長」が通常は曲単位でしか出来ないし、凄腕DJが居たって演奏内容は全く変えられない。
生演奏ならそれ迄入って無かったSyntheの白玉を追加する位なら誰にでもお安い御用なのに、機械だとリアルタイムで追加するのは酷く大変になるじゃない。
そうしてみると過去の黒人系のに大きいグルーヴが多かったのも納得で、それは主要顧客の体力とも関係してたんじゃないかな。(或は踊り慣れてるお客が多かった)
>つづく<
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