音楽備忘録1397 一寸変な歌の練習方法⓮
今回は前出Ian Gillanの裏声シャウトを主軸に綴ってくが、残念乍ら当の本人は殆ど使え無くなってしまったらしく残念だ。
そこから派生した認識が最悪で、どうやら喉の負荷が高い唱法との致命的誤認に至った模様。
と言い乍ら杜撰大王ですから当初はとても危惧したもんで、どうして本人が不可化したか解析出来る迄は不安だった。
そこで今一度Ian Gillanの全唱法を整理しとくと、象徴的な裏声シャウトは高音部限定で他の方法のシャウトの方が頻度・量的にはかなり多かったんすよ。
昔の英国人なのでBlues色が強ったが、その唱法は米黒人みたいなコブシでは無かった。
では例のオーバードライブ唱法かってば、適正域より音程の低いのもあったのでそこを喉声シャウトで凌いでたらしい。
どうやらそれが喉のかすれを促進した様で、普段は秀逸な発声方法を使ってるから殆ど露呈しなかったのかな。
そんな状況って風邪の後で喉が完全復旧してない時と近似で、地声音域ではほぼ正常に戻ってるけど裏声が殆ど出せない。
要するにシャウトするかしないかはほぼ関係無く、裏声自体が出し難くなっちゃったらしい。
原因については外野の憶測だから、本当はアルコールや薬のせいかも分らんがね。
何れにしても裏声シャウトってな裏声が出せる限り、不能になる事ぁあり得ねえんですわ。
勿論正規の方法じゃないのでやってると確約しかねるが、喉声オンリーで無くて裏声が出せるなら習得の暁には使えるのを保証致しますですぜ。
この方法ってほぼオーバードライブシャウトの裏声版で、昔従兄がクリーンな裏声から徐々に歪ませたりして種明かしをしてくれた。
後年太鼓講師になる様な人だったからかも知れんが、歪み度を増やしたり減らしたりまるでスティックトレーニングの加減速みたいにさ。
この唱法の成否はフル歪みから完全クリーンに何時でも戻せる処が要で、喉をなるべく使ってないから可能な技なんよ。
喉に過負荷が掛かると行きの1回目は無問題だが、帰る時に段々徐々に完全クリーンじゃなくなるんだ。
特に地声のは腹声オーバードライブシャウトでも沢山続けると少しは喉が荒れちゃうけど、裏声のは地声より脱力してる分かなり疲労の来るのが遅い。
因みにご存知とは思うけど裏声って、少なくとも地声の時よりゃ力を抜かないと出せないのよ。
この物理メカニズムについてはフルートが似てて、下手っぴが吹くと高音ばかりがドギツクて喧しい。
尤も低域は音量が出ない癖に息はやたらと要る始末で、それでいて僅かでも余計な力みが入ると裏返っちゃってオクターヴ上へ行っちゃう。(って杜撰大王は家族の中で唯独り鳴らせなかったんすが💦)
今迄考えた事も無かったがこの性質って肉声歌唱と近似で、バルブ自体に穴付きタイプのがあるのは口の開きの代りかな。
その他口笛(これ又幾ら練習しても未だロクに吹けない😢)等、どれも最もシンプルな音を出す手段だ。
楽器と違って人には回復力が備わってるから油断してるか知らんが、良い音を維持するには壊したり荒したりするのはマイナスよ。
只この回復力って病損や間違って変な出し方した時用なんで歌唱で依存は厳禁、却って楽器みたいに即座に壊れた方が唱法の誤りを認知し易い位だ。
>つづく<
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