音楽備忘録1354 リズム表現を手放しちゃうの?➑
近年の状況を鑑みノリの概念に少し触れとくとして、先ずはここらしく物理的メカニズムから行っとこう。
それには前提になる各楽器の出音に言及せねばならないが、端的に言ってまちまちバラバラなんでごんす。
撥弦・打撃系の音であればド頭にアタック音が来るけど、それ以外のは「頭が一番デカい」とは限らないんだ。
そうすると何処かの時点を音楽的に「音の先頭」として扱うんだが、単独であれば周囲雑音より大きくなった処と認定すれば良い。
がアンサンブル内に入ると周囲音の音量が違うから、単独時より大きくならないと既に鳴り始めてるのが分らない。
尚且つ周囲音が大きい程音量が上がってからとなるんで、結果的に大抵は鳴らし始めから聴こえ始め間のタイムギャップが拡大傾向にあると来らあ。
又明確なアタック音のあるのでもその鋭さは千差万別・変幻自在で、つまり聴こえ基準に立つとスタートポイントがそもそも殆どので変動してるんですよ。
それ故現行の打込み如きじゃ音楽的にはちっとも正確とは言えず、物理的には絶対一定の筈なのに時々遅くなったり早くなったりした様に感じる事があるん。
でそれは実際耳で聴いた通りの方が多く、発音タイミングが楽器種に依ってズレちゃってるんだ。
それを人力では変になると不味いから、殆ど無意識下で皆微修正が自動で入ってんすよ。
そこから一歩進んだ状態が、絶対に遅れないとか突っ込まないになるん。
この段階迄は余程体質に合わない限り、現代でも合奏水準をクリアしてる人だったら既に獲得済みでごわす。
でないと大事な箇所で、何時も1人だけズレちまうかんね。
それでオケなんかだと指揮棒から楽器音の出るのが遅れてるのなんかがあって、けれどそのタイムラグは大体一定なんだそうな。
これって指揮者が逆算してタイミングを出してるんで、素人目にはどっちかが酷いタコと思ったりしちまうんだが…。
Bandみたいに人数が少なきゃ「せーの」でも大体は何とかなるが、大勢で場所すら遠い人(音も僅かだが遅れる)も居るとなると「前振り」が無いと厳しい様だ。
絶妙なノリとなると正直才能も大いに影響するが、「絶対に遅れないとか突っ込まない」ってノリの登竜門なのよね。
ので苦手な人でも「終始一貫良い感じ」がキープ出来ないだけで、全く操縦不能って事ぁ先ずねえんでやんす。
してそれは無自覚でも何等かの「ノリを持ってる」事を意味し、例えこれ迄のパートナーが機械君オンリーでも人間側には何某かが勝手に育まれちゃってんのよ。
だからこそ「ノリなんて興味無い」から知らんってのが無意味で、今アンタがどう思って様と一応考えに含めとかなきゃしゃーないんや。
お題では「リズム表現」なんてぇと「する方ばっか」を思うかも知れないが、意図的に味無しにするにも概念と基礎実践位は必要なんす。
寧ろこれ等を放棄した状態の方が、他人耳には「癖がある」等と聴こえてるんだから怖いでっせ。
<つづく>
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