音楽備忘録1302 音を柔らかくする方法⓭
今回は副題を「ダイナミックMicの余命」として綴ってくが、リボン型等硬さ案件に入らないのは除外する。
ダイナミックタイプでも硬さを気にするとリボン型等限定になり、その利便性が実は期間限定だったんすよ。
と言っても主に楽器のOn Mic用途での事で、他の用途迄全てが駄目になった訳じゃないんだがね。
只近年はスマホを始めIT機器内蔵のだとエレクトレットコンデンサの方が何かと便利なんで、ダイナミックタイプのシェアは風前の灯火に近い。
でリボン型等だと振動にも湿度にもコンデンサタイプに勝るとも劣らない位脆弱だが、たまたまアナログで録ってる間は弱点の硬さを今より問題にしなくて済んでたんだ。
っとこの時点で異論も多そうだからそれを解消しとくと、リボン型等を除くダイナミックタイプだって硬さだけに注目すれば極上なのだってあった。
がそれ等は周波数特性を始め他の部分をかなり犠牲にして成立してて、反応≒リニアリティを気にし出したらどんどん硬いのしか作れなくなったんだ。
これは全く今更だがレコードのカートリッジ方式でも同様で、MM型では幾らコストを掛けてもMC型に及べなかった。
気にしてる人が少数派なだけで昔からそうだった、ってののこれが1つの証拠ざます。
それでも筆者は決してコンデンサタイプ至上主義では無いのを断言しとくが、硬過ぎさえしなかったら躍動感やダイレクト感の方が今だって大事だ。
のでアナログオンリー時代はコンデンサ型やMC型に、そこ迄払う価値が自ニーズには無いから避けてたんだ。
それがデジタルほぼオンリー時代の今に至ると、ダイナミック型の弱点・欠点が強調されるんで翻意を促されたって状況でさ。
今でもダイナミックの長所が完全に損なわれてはいないが、アナログ時代に原音にその方が近いってのは無くなった。
寧ろ原音より妙に明瞭で、恰も「楽器の内部の音」を拾ったかの様に変質した。
当時はスピード感に劣るコンデンサの方が、周囲の状況変化で何時の間にか原音に近くなってたんだ。
Mic自体は相当な進化があったとは言え基本性質は変わって居らず、録音機を始めとした他のメンバーが殆ど入れ替わってる。
のでⅡでそっちの方が容疑濃厚なんだが、ホントにMicだけで録れて再生出来る訳じゃないからね。
要するに音楽には真の意味での個人プレイが他より僅少で、個人のアカペラですら生聴きする以外は何等かの追加装置が必要でしょ。
だから柔らか頭がより求められて、常にトータルで考える必然性が強いんだ。
一応この現象の我流分析もしてみると、過去には硬いのが分らなかったと読んでいる。
過去録音ではその殆どがテープのお世話になってたが、テープは高域減衰の他に全ての「角を丸めちまう」性質があった。
と言っても俺を含め多くはデジタルになってからそれに気づいたんだが、コンデンサ型より遥かにテープが丸いんでそんな差があるとは気付き難かったんだろう。
それ故古典柔らかダイナミックにもし挑戦してみるなら、デジタルで録ってみてからにした方が良いかも知れないな。
>つづく<
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