音楽備忘録1314 伴奏の重要性⑲
続いては何故中域過多を削らずに、低・高域を盛る方にばかり勘違いしたのかでごわす。
その1つに過去名作の「聴き違い」が考えられ、それは過去のリアル音から遠ざかったからかも知れない。
俺はたまたま太鼓先生とは別の9歳年上の従兄がエレキBassを弾いてたり、例の強制弟子入りで親世代の人がどんな音で演ってたのかを知ってしまった。
従兄の方は’70年代中頃・師匠の方は’80年代初頭だったんだが、どっちも全然「普通の耳慣れた」BassとSaxの音だった。(ってもプロの音だから当時素人の自分達とは別物だったが…)
そんなのの筈が録音物だとかなり違って聴こえるんで、密かにヲタの血が騒ぎ出してね。
チャンスが到来したら確認してやろうと思ってたっけ、親友から借りたレコードに明確な回答があったんだ。
それがかなり過去述再出のCreamのLive Cream Volume Ⅱってので、当時は彼等ので他に低加工!?のが出てなかったんだ。
従前は演奏は凄いが音色はショボい奴等と思ってたっけ、ものの見事に覆されショックでしてん。
この加工疑惑ってのが中々曲者で、実際より随分とナローレンジに仕上げてあってな。
日英の当時の技師が過激過ぎる音に危惧したか、意図的に刺激成分(と思しき)をごっそり削ぎ落してやんの。
どうりでLive体験の出来た国々と、日本での認識が乖離してた訳だと合点が行った次第。
兎に角そういう事があり得るのなら、こりゃかなりの有名人のでも録音物だけじゃアテにならんってのを思い知ったとさ。
まあPianoの様に飛躍的進化があれば、古典時代と現代のではかなり違った音になってるけどね。
Violinみたいにほぼ原形を保ってるので近似奏法してるのを比べれば、録音等劣化と出音差をある程度推測出来るんや。
それで分かったので本件に関係ある部分を取出すと、巻弦かどうか等以外では大差の無いのが判明したん。
ので昔のは中域中心と感じて全く外れてはいないだろうが、その殆どは「録音すると」の条件付なんすよ。
つまり現場では過剰中域があったら当然削られてて、後で録った時に上と下が削れてたと。
するとパッと聴きでは似てても過剰中域は、今単に中域を盛ったのとはひと味違ってるんじゃないすかね。
実際ローハイの削れた結果分離度が落ちてるのもあるけど、録る前からそうなるのを想定して演ってたのは少ない。
時期的には必然性が薄れてたが例えば、Four Topsの’72年からのスタジオ録音3作がLAサウンド近似なナロー気味のMixにしてあった。
全体像は中域主体でナローな印象なんだが、LAサウンド同様大編成にしては妙にスッキリしてる。
その原因がどうやら200~400Hzが抑制されてる様で、もし削って無かったならもっとBassのハイポジやGuitarの低域が肥満になったりしてるだろう。
但しBassをそうし易いのにはFlat弦の効果が大きく、そこそこHi上げしても絶対にビンビンとかにならないからねえ。
で基本音色傾向があまり変わらないとなれば、Bassのハイポジも倍音主体で聴かせられるから肥満の心配が無いんだ。
今だとRound弦がデフォだしスラップ等の都合もあるから直パクリ出来んが、「過剰を避ける」「別帯域で代用」するのが好ましいのは変わらないよ。
もしかしたらそれじゃあ音色が好みのベストとは違うかも知れないが、なるべく近似印象で過剰にならないのを見つけないと仕方無いっす。
<つづく>
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