音楽備忘録1270 楽器Amp同士の組合せの話しⅡ①
お早いお帰りとなったが、今シリーズではPAの件を無視して進めませう。
その狙いはAmp毎の実出力音圧に、自由に言及出来るからなのだ。
過去述の如く同じW数でもスピーカの数や能率で随分な差があると述べたが、その程度を掴むのはとても困難だ。
能率って本来大変重要なスペックだからキチンと公表して貰いたいが、商売の都合でちっとも改善されやしない。
いや寧ろ悪化の一途を辿ってるみたいで、中価格帯迄のがほぼ非公表とこりゃひでえわ。
ってのも最大出力が中間層の程、実際の音量の過不足が問題になり易いのにさ。
ある意味それだけ知識の無い人が売り買いする様になったんだろうけど、栄養失調のDrummerやVocalistが増えてそんなでも足りなくならなくなったんだろうか?。
愚痴ばっか言ってても仕方無いんで自衛策を講じるとして、それには先ずスピーカ能率の相場を知るのが土台になる。
昔に比べりゃ10W以下のクラス以外法外に低いのは無くなった様で、又高能率の方でも一部のハイエンドやPA用を除き音色の方へ重心が移った様だから突出したのも減ったのだけが救いだ。
具体的には98dB(12~15inch)前後を中心に、後は口径と用途(Bass用とか)で増減がある。
口径との関係は大口径になる程上昇してくが、今は15inchでその傾向は頭打ちになった。
ってつまり昔は18inchだと15より高能率だった訳で、今はそれをローエンドの再生能力の方へ振り向けた様だ。
プチ余談だが昔の18inchで鳴らしたBassって、雄大さが素晴らしかった(半分想像…💦)から密かにチャンスを狙い続けてんだけどねえ。
わたいがいにして続けるが、大凡の目安が幾つかあるんでそれから行っとこう。
口径については10inch×2が12inch×1、12inch×2が15inch×1と大体イーヴンだ。
但しローエンド以外の性質が似てたらで、例えば10inchのが中高域専用だったら12や15inchの中域と遜色の無い位の能率になる。
ので帯域分割駆動のだと少し面倒になって来るが、楽器用Ampはフルレンジ(全部の帯域を1種類のスピーカで出す)が中心なのでオーディオ用よりは遥かに簡単だ。
因みに帯域分割させてるヤツの場合Bass用なら中低域が中心になるんで、高域の能率はそれに合せて調節されている。
のでⅡで通常ツィータの能率はこの目的の場合殆ど無視して平気で、ウーハの能率を基準に考えればOK。
余談だがこれはオーディオやPA用でも同じで、その共通の理由は大抵はスピーカシステム内で低域用が最も低能率だからだ。
のに楽器用で中低域では逆転現象が起こるのは、他のよりターゲット周波数がかなり低目だからだ。
音色の再現性に倍音は重要だが、それ以前に楽器だと音程が重要。
一般音楽で聴き取れる必要性のある音程は割と低目で、それが100Hz~1kHz位なのだ。
その為楽器用だとオーディオで言う各帯域からは低い方に1つづつズレてる感じで、オーディオでは中域は凡そ1kHzが中心なのに楽器だと高域と中域の境界域になっている。
因みにⅡで楽器だって1kHzより上の基音が出るのもそこそこあるが、そんなの単独で音程認知を迫るものは少ない。
必要な際は主にオクターヴ以下の音を併鳴させて、音程認知はそっちに委ねてるのが多いよ。
>つづく<
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