音楽備忘録1279 楽器Amp同士の組合せの話しⅡ④
今日は「Marshall3段積みの幻想」と副題を付けてお送りするが、俺は嫌いはおろかかなり好きな口なのを前置きして。
端的に言ってその能力を出し切れる場が僅少だからで、その使い方も年々本来のは忘れられてる様だ。
’70年代以降のイメージだと他より歪むのがあるかも知れないが、原典はフル稼働時に他のより「低音がダブつかない・高域が増し盛り出来る」だけだったんだ。
歪みだけなら’60年代はFenderやVoxの方が歪みは深く出来、高域についてもBright Inputが付いたのはVoxの方が全然早い。
それよりも巨大会場とフル稼働で常用するのに、特化した方に重きが置かれてたんだ。
ので少なくとも’70年代途中迄の「正しい使用方法」は、何を差し置いてもM君使うなら「フルアップ」が定石だったんだ。
近年のモデルではプリ部だけで歪ませてもまあまあ行ける音になったかも知れないが、それで他のと決定的に違うとしたらTone回路の定数程度だ。
何しろウリの1つだったスピーカがその廉価さと相まって、Celestionが1人勝ちの大流行しててあのFenderですら採用する始末だ。
それでも残る個性ったら欧州タイプ管と欧州トランス由来の音色の甘さになるが、それが最大に真価を発揮するのはフルドライブした時のみなんだ。
無歪み時だって全く同じではないんだけれど、フル時比で¼程度に減っちまう。
ので爆音系以外で正規の使用法をしてたのっつうと、元祖のEric Claptonがやってた「中出力ビルトインでフルアップ」迄遡るんざます。
それではメタラーさんには後面開放型の分が物足りないだろうが、ずっと12inch×2のエンクロージャもマイナーだけど売られ続けてるぞい。
のでⅡでMarshall正規特有の音が欲しかったら
①フルアップだけは絶対に譲っちゃダメ
②数を減らしても密閉箱
③出力容量は不問
にすべきなのよ。
きっと賛否両論喧々諤々になるんだろうが、①をしないなら他でも出せるか寧ろその方が良いかも位になるのだけは確かなん。
そんでそうしないと本人以外に大影響を及ぼし兼ねないのが、Guitarの過音量案件なんざます。
日本ではエレキはRockのはおろか最早ホピュラーでの王様になってるけど、それは存在だけで音量迄そうしちゃイカンですとばい。
単純な音量の王様はDrumであるべきだし、低音の音量だったらBassが王様じゃなきゃ。
それでも聴き取り易さと目立ち度では歌やエレキの独壇場のままで、割かし中域に集中してるのと平均音圧が高目だから絶対的音量では↑を下回っても無傷で済むんだ。
それが万一覆るとしたらリズム隊の中域過多等が疑われ、これは大ホールでM君3段積みを使ったGuitarとBassがちゃんと「別質の音」に聴こえるのが証拠になるよ。
>つづく<
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