音楽備忘録1257 そんなに詳しくないけどマイナーブランドの話し➎
ここからはほぼニーズレスではあろうが蔵出しと銘打って、過去の国産マイナーブランドで比較的良質だったのを幾つか記してこう。
中には断続的に現存してるのやメジャー化したのもあるが、より情報が枯渇してそうなのを中心に。
トップバッターは本物を長期借用する迄15年強使い続けた、リッケンベースコピーモデルの前出Fresher。
概述の通り最安だから買ったに違いはないが、妥協点にはメーカにもこっちにもかなり拘りがあった。
’70年代後半期はリッケンべが今より人気があったんで多数のブランドから模造が出てたが、その内容はかなり多岐に渡っていた。
その中でスルーネックは原材の長さが要るんで、価格がどうしても高くなってしまう。
のでネックの接続仕様は諦めるとして次に調べたのが材だったが、そこで意外!?な事情が発覚。
リッケンタイプではそれ程でも無かったがメイプルの代わりにパーチの合板が使われる等、随分と材の選択が野心的だったんだ。
低価格帯の中で音色配慮込みで最も攻めてたのがFresherで、他社のは代替材の場合音色より映え優先の方が多かった。
因みにその頃は元締めの影響がとても大きかった様で、ブランドのFresherは超マイナーだが元締めの共和商会はかなり有名な問屋だった。
一方見た目の忠実度ではHEERBYってのが突出してて、これは三日月型ボディで一世を風靡した春日楽器の別ブランドだった。
リッケンタイプのでだと本家で’60年代末~’70年代初めの一時期だけ使われてた、他所では見掛けないチューリップ型ツマミのペグが再現されててね。
同じく’70年代初め迄採用されてた一寸だけ豪華なチェッカーバインディング、両方が備わってるので現物を拝めたのはこれだけだった。
この手のマイナー系必ずしも地域限定では無かった筈だが、何処の店もが仕入れてくれはしなかったんだろう。
Joker的存在としてはPrinceの常用したマッド・キャットのH.S.ANDERSON(米ではHOHNERから販売)等があるが、完全なオリジナルでは無くテレキャスのバリエーションタイプだ。
中には好む人も居るだろうがどうも国産のオリジナルは個性不足で、タイミングも悪かったのかも知れない。
’60年代一杯迄は完全オリジナルの方が寧ろ多かったんだが、如何せん性能面での劣勢が隠し切れなかった。
それが’70年代にコピーから学べたかコツが分かって来たら、今度はFusionブームの煽りを受けたか優等生的に過ぎるのしか作らなくなっちまった。
ここでは随時吠えの如くエレキって不完全だからこその魅力も重要な楽器なんだが、同調圧力大国の日本で生き残ったブランドは駄目では無いにしてもどうしても○○じゃ無きゃ的価値が無い。
私的にはYAMAHAを筆頭にARIA PROⅡ,Guyatone、GRECOに至ってはグリコのオマケと卑下してたのは↑を重視してたからなんだ。
それが近年ではビザールヲタには’60年代物の方が評価される形で表れてて、けど音楽の道具としての質は’70年代のが一番マシだったから残念だ。
全体平均では’90年代一杯迄僅かづつ下降し乍らも維持されてたが、加工精度が飛躍的に上がっても材の低下した分現行品の特にエントリーモデルは色は随分綺麗なのもあるけど一寸厳しくなってる感じだねえ。
<つづく>
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