音楽備忘録1216 Rickenbackerの真の姿⓬
今日は私的ではあるも「録りで良かった」の、内容を少し細かく披露しませう。
取敢えずかつての業界標準だった、Fender Precisionとの比較形態で。
1.楽器自体の低音生成量が多い
2.同じく高域生成量も多い
3.繋ぐ相手のインピーダンスの影響を受け難い
主な処を羅列するとこんな感じで、今回は比較対象が1PUなので音色バリエーションの優勢は一旦封印しときま。
では1.から参るが近年ではそのご利益はほぼ消滅したが、好みに足りるAmpが使えない時等は一大事だったんだ。
F君は基本設計が中域と超高域を楽器本体、低域と中高域を主にAmpで作るって設計思想になってる。
ので楽器本体以外で低域増幅量が不足すると、アンサンブル内での低音域の量的響きにBassらしさが出せなくなってまう。
近年はAmpの調整範囲の拡大されたのが多いし選択肢も大いに増えたんでかなり解消されてるが、「相手を選ぶ」のに変わりはない。
2.については実は超高域はF君の方が出せてはいるんだが、一般的な楽器Ampでは扱ってない領域なので効果が得難い。
そしてこの楽器の所謂「素性」ってのが、今主流のLine収音だとその影響はより拡大するん。
これが3.とも大いに関わって来るんだがアンサンブル内に入れちゃうと↑の帯域が乖離して聴こえるんで、籠ったBass+何かのタッチノイズみたいになっちゃったりしてさ。
のでⅡで丁寧で大人しいスタイルの奏者なら未だしも、ワイルド命の人にはLine録り時だけ普段より乱暴になったかの様に誤聴されるリスクがある。
そうなるのを最も簡単に回避出来るのが超高域のCutだが、楽器Ampスピーカの様な急峻なCutが案外困難でね。
結果多くの場合多少ノイジーなのを我慢して出すか、それを完全に削除する為に籠り気味になるのを我慢するかの2択を迫られるんだ。
って実はかつてはリッケンで録ってて色々方法を変えても、思った程大胆な変貌を遂げられないのに腐心してたんだけどね。
自作録音作品が蓄積してってそれを再現する機会が増えてみると、「何時も通りのし易さ」の方がより重要なのが見えて来たん。
録音とLiveを別物に分離するスタイルとか、Liveではほぼ絶対演らない曲と定義しちまえればどうって事無いんだろうけどさ。
こっちも中々気紛れなのもあるが、顧客が何に興味を持つか完全に計算出来ると考えるのは稚拙と思ってて。
もっと簡単に言やなるべく余計な制約なんて持たずに済む方が良いんで、少なくともいざその気になったら再現可能になってる方がね。
奏者次第ではあるがどれだけ余計なプロセスレスで所望音が手に入るか、ってのって一面でその人に楽器がフィットしてるかでもあるんじゃないかな。
故に例えば普段はスラップもリッケンでしか演ってないけど、典型的ないにしえのあの感じをともし請われれば平然とFender持って来てって俺は言っちゃうよ。
<つづく>
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