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2022年12月 2日 (金)

音楽備忘録1204 Rickenbackerの真の姿➑

今日は主題の前に総合補遺を行っとくが、部品より本体重視の件についてだ。
別テーマで既に過去カタログに嫌いな部品は勝手に交換しちゃってってのくだりがあったのを紹介済みだが、これを深読みするとブランドの考え方がそこに漏出してるのよ。

リッケンって近年は昔程じゃないにしても、部品類も自製率がかなり高くてね。
それからすれば換装なんてして欲しくない筈で、日本では全然だが本国でには自社パーツ販売専門のサイトがある位なんだ。

又ヲタ本に設計製造者の談話が載ってたが、理に適ってはいるものの外野が想像するよりは単純な理由でこんな風になったんだそうだ。
なので歴の途中迄は偶然もあっただろうが、熟知した上で敢えてあの程度の完成度としてるらしいのよ。

わこの辺で今回は電気部分へ駒を進めてくが、俺知りではパッシブハイインピーダンス電子回路としてはかなり究極に近い処迄煮詰められている。
尤もパッシブ領域に主軸を留まらせてるので、以降のハイテクのと比べると効果が緩くちゃんと認識出来たのは割と最近なんだけどね。

その中から先ずはBassのリアPUにコンデンサを直列挿入させた件を取上げるが、低音を硬化させずに高域を豊富に得るには他に方法が無いんですよ。
杜撰大王な俺は兎も角過去にはメーカ自身も迷った位難解な問題で、それは唯1つを除いてリアPUの位置がそんなにブリッジ寄りじゃ無かったのに端を発している。

昔からBassでは名称はリアPUでも、実位置はリアとセンターの間から前寄りだったのは低音量の都合だ。
それをもしGuitarのみたいにブリッジに近接させてると、リア単独で使用可能な状況が著しく制限される。

尤もリッケンでは今に至る過程で、ローカルブランドならではのかなり不可解な経緯があった。
黎明期ブランドでは当時高価で貴重だったPUは1個だけが常識で、それ故一部例外を除き大凡センタ位置に搭載されていた。

これはリッケンの他Fender Precision等でも同様で、そこから発展させる際普通は前後に振り分けるか更に後ろに加えるんだけどねえ。
恐らく実験の結果からだろうが、リッケンだけ既存のは存置して追加するのが前に…。

それプラス上記仕様であのサウンドが獲得出来た訳だが、半ば当然の如くリア単独でもコンデンサなんて挟まなきゃ元から充分に使える音だった。
のが’80年代頃流行サウンドのニーズから俺みたいにコンデンサを撤去するユーザーが頻出し、一旦はメーカ側もコンデンサレスにしてたんだ。

2PU並列使用は高級感には優れるんだが、同タイプのPUでそうすると若干表現巾は狭くなる。
のとGuitarだとそうでも無いが、Bassだと時々不快感を覚えかねない硬さになっちゃってね。

リッケンでは誰かに指摘されたかこれに気付いたらしく、2000年代の途中からポットの切替SWで選択可能な仕様に変更された。
のに触発されて杜撰大王も今度はじっくりその差をチェックしてみたら、全体若しくは低音の音色の硬さにかなり大きな差があるのに漸く気付かされた次第。

コレ回路部だけならPUが2つ以上付いてりゃどれでも簡単にモディファイ出来るが、パッシブで結構ゴッソリ削るんでその出力低下対策が問題になるん。
その対処をどうするかに元は成行き・偶然だったとしても、最大の特徴がリッケンBassにはあったのよ。

<つづく>

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