音楽備忘録1233 Gibsonの貢献度➎
いよいよマホガニーネックの件を掘ってくが、他社にだって幾らでも採用例はある。
のにギブ君のとしたのは、他に材の選択肢があった時どうしてたかみたいな部分に着目してだ。
大元は加工性・原価・入手性等もあったかもだが、最大の事情は共鳴の仕方の問題だ。
特に生の場合人が実用的に抱えたりぶら下げられる程度の大きさでは、低音の音量を足りるだけ出すのが最もご苦労さんになるんだ。
それプラス下手に細い音色になると元々そんなに音程感に溢れちゃいねえから、パーカッションにはなってもメロ楽器としての用を為さなくなっちまう。
それを今より段違いに解析とその実現が困難だった昔となると、響きが膨らまない材は危険度が高くなる。
これの裏付けがギブ君でのメイプルネックの採用例で、生やセミアコ・フルアコでは最も大柄なボディのにだけしか用いられてない。
エレキではよりPUの影響が強くなるんで↑程極端では無いが、少なくとも開発時点では「最も音程感に優れるGuitar」だったと言って良いだろう。
これは余韻長さにも大いに関係してて、物理的余韻長さなら大抵はソリッドの方が良かったりゃするがね。
歪ませない場合はSyntheで言う処のDecay部が第1チェックポイント、その後のSustainが第2チェックポイントなんざます。
ってのは悪環境下では余韻はマスクされるんで、音程は上記第1でしか聴き取れなくなる。
それより良くなっても無伴奏独奏時位じゃ無いと余韻の終りの方では、まだ鳴り止んで無いか位しか認知出来なくなる。
ので実演音楽に於いては余韻っても主にハーモニーとかが判別可能のは、余韻でも頭の方でそれが上記第1って寸法なんざます。
その時点で極力中低域が共鳴してくんないと、メロ楽器よりパーカス寄りになっちゃうんだ。
是又随時吠えだが全楽器中ではGuitarって「低音楽器」の部類の方に入るんで、キラキラシャキシャキも美しいけどそれは音程には貢献するよかスポイルする方が勝るん。
さてこの音程の聴き取り易さは過去との環境差から2分して考慮すべきなんだが、昔のギブ君エレキ開発期では録音のクウォリティに今とは大きな隔たりがあった。
高域だってそれが倍音主体なら音程は推定し易いが、録ると盛大に籠るとなると今程倍音に依存するのは無理があった。
一方でその呪縛から解かれた現代でも高域や倍音が用途より出過ぎな場合、それ等を適宣削って整合させる事となる。
雑音に対しては削る方が有利ではあるが、不要部だけを削るってのが今でも手間も凄いが技術的にかなり難しい。
結果的に深歪み系で籠るのを嫌うと、ギブ君系でハイを盛る方が楽だし確実性があってそうなっている。
と言って別にフェン君を下に見る気は毛頭無いが、あちらの魅力は奏者側の工夫への依存率がグンと高いんだ。
今では定番サウンドのStratoハーフトーンも、奏者が偶然発見して魔用し出したのが源泉だかんね。
エレキ歴が浅いと信じ難いかも知れないが、’70年代一杯頃迄PU切替SWは3ポジションのの方が多かったんだで。(つまり意図的に不安定な「中間」に置かないとハーフは出せなかった)
そんな面で楽器としての完成度としては、ギブ君は圧勝してたんだ。
けれど実用耐久性としてマホネックはやはり一寸厄介で、かつてより過激化した舞台上でのパフォーマンスには対応し切れなくなってっかもね。
そんでも録音とかの分野でもしメイプルネックより柔らかいとか太い音になるのが選べなくなってたら、それはそれでかなり皆困ってたんじゃないかな。
<つづく>
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