音楽備忘録1223 楽器Amp同士の組合せの話し㉜
プチ番外編として今日はPAの弱点周知を促したいが、主に低音の量とローエンドを気にしなきゃ今は随分楽にはなったもんだ。
俺が演り出した頃なんて、歌だけでも全然足りないのとか平気であったんだから。
さて↑の様に音域不問なら最近は音量の心配が無くなったPAも、本邦現況ではまだ完全に楽器Ampの代わりに出来る程には至ってねんだ。
だば現況で楽器Ampには出来て、PAには無理なのをザッと挙げてみよう。
1.パワー段でのOverdriveサウンド
2.Feedback奏法
3.エレキBass等のローエンド
この内3はPAでもスピーカ次第で変動するが、前回述の通り大抵は楽器Ampの「額面通りの最大出力」よりは低目になっている。(但しいい加減なお楽しみ用は除く)
詳説が逆順になっちまうが先に続けると、↑には加えて軽く歪み出しても実用に耐え得るかでも異なっている。
そもそも現行のPAでは歪んで使う想定が無いが、それは仮にAmp側だけそう作っといてもスピーカのツィータ等が非対応で壊しちまうからだ。
んでこれが1.2.ともリンクしてんだが、コスト・パワー・サイズ等の都合で真空管式のがほぼ絶滅してるのもあってね。
歪みを許した処でオーディオ寄りの石のはどうせ使えるサウンドになってくれないんで、スピーカ共々それ用のマージンを与えとく意味が無いん。
又Feedbackってのは「ハウリングの一種」でもあるので、これだけ更に掘っとこう。
ハウリングは端的に言うと出した音が無限ループしてる状態で、必然的にその機器の最大出力となっている。
のがMic等でも起こり得るのでPAでもある程度迄の耐性は持たされてるが、楽器Ampと比べて高域が出せる分刺激が強過ぎてわざとでも滅多に活用出来るような音にはなってくんない。
又Ⅱで指向性の鋭利な高域中心でループすると、中低域でしてた様なコントロールはほぼ不可能。
例としてI Feel Fine-Beatlesのイントロので説明すると、ループターゲット周波数が約110HzなんでいきなりピークにならずにFade Inしたみたいにゆっくり到達してるよね。
に対しMicでのハウリングは予感がしないから、まだ行けるかと思って僅かに向きを変えたら瞬時に「キーン」。
故にバーチャルやシミュレートを利用しない限り再現不可で、演奏の仕方特に気紛れ予定外のアドリブでは実演不能となる。
尤もPAで楽器Ampを代用して主に被害を被るのは電気楽器なんで、非担当の人からしたらあまり気にならないかも知れないが…。
だが大昔の一部の管球式PAを調べてみると、良く言や電気楽器寄りだが本来の用途にはナローレンジで苦労したに違いない。
私的に特に気になったのが折角搭載されてたTone回路の方式で、楽器Ampの定数を変えただけのヤツだからハウリングポイントの抹殺等には効きが大らか過ぎて全く使えない。
にも拘らず当時だって既に不向きなのは分かっててそうしといたのは、出力余裕に乏しいのしか作れなかったから楽器Amp固有の特権をわざと取込んでみたんだろう。
んがそんなのだと複数の多様なサウンドを充分には扱えず、性質の大きく異なるの(例えば歌や生楽器と電気・電子楽器)は分離併設しないと無理だった。
その結果「Vocal Amp」なる存在が出現しただけで、その当時したくて用途限定とした物は恐らく少数派だったろう。
<つづく>
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