音楽備忘録1210 Rickenbackerの真の姿➓
ほんだら本線復帰させてBass PU関係の核心にいよいよ迫るが、偶然由来だろうと他にこの方法での成功例が無いってのが特筆もんなんだ。
それも各PU単独時の汎用性を、犠牲にせずとなると中々ね。
好み次第じゃ例えばFender Jazz Bassのリアだけの音を許せるかも知れんが、編曲家やサウンドエンジニアには少し面倒な選択になるんだ。
一般認識のBassサウンドと比べて低音含有割合が大部減るんで、エレキGuitarと併用されてる時その差別化等で腐心させられる事があんねん。
コレ多常用され出した時期との関係性ってのがあって、Synthe Bass等との併用が簡単になって以降だったもの。
故に幾ら高域がもっと欲しくても他がGuitarしか居ないアンサンブルだったりすると、今だってストンプその他の強力なアシストが無いと一寸苦厳しい。
わ一旦置いといて、現行リッケン4000シリーズのリアPUって元々はリアじゃ無かったんだ。
1957年リッケン初のエレキBassとして(ウッドつまりエレアコのは何と’30年代!!)登場し、’80年代中盤に製造終了した1PU仕様の4000ってのが原典だ。
その時の位置が現行のリアで、考え方次第じゃフロントとセンタと捉えた方が良いかも知れない。
現に俺はFender系のを模倣する際に、リアのコンデンサをバイパスさせたのだけとAmpをFender系使用時に近い状態に変更して代用してるよ。
それが’61年に上位機種として4001にPUを増設する際、普通なら元のを中心に前後に割るか後ろ(ブリッジ側)にするんだけどねえ。
慣例に逆らって前に追加しちゃって、恐らく色んな位置を試してみてそうした方が当時としては他ので出せない重低音が出せたからだろう。
コレかつて偽物だけど一時期Fender系のを持ってた時、手持ちジャンクPUで色んな位置を試した事があってさ。
目一杯ネックへ寄せりゃさぞかしローが稼げると思ったっけ、大体プレべやジャズベ位から前へ寄せても下に対しては幾らも効果が無かったのよ。
やはりボディ材が軟らかく比重が軽目だと、それの固有共振周波数が高目になってるんだろう。
詳細には前へ寄せればローエンド自体は他分少しは拡張してるんだが、その直上の低中域の増加量が何倍にもなっと。
そのメタボ君に多少は増えてる筈のローエンドとより減少した高域が完全に食われちゃって、昔のGibson Bassっぽくしたいの位にしか使えない音色になってまう。
そこへ歴史的経緯が絡んで、リアだけ大出力の状況が生まれた様だ。
4000時代に採用したPUはエレキ開発当初に発明した所謂Horse Shoeタイプで、大柄なのに加え磁石が弦の上へ被さる構造だからフロントには使えなかった。
Guitarの方ではハンドミュートその他で邪魔だからか’50年代中に極短期間の例外を経て、所謂Toaster Topへ全面的に仕様変更となった。
のがあったからってんでそのまま弦の本数違うのに流用って、やり口としては乱暴だが実際それで音に問題は無い。
だが原設計が戦前の蹄君と戦後のパン焼き君じゃ、出力にかなり差があったのよ。
これにはPU開発時点での真空管素子の低増幅率と関係がありそうで、今のみたいに歪ませる為に高出力を狙う意図は皆無だろう。
寧ろToasterの開発時に上がって来た増幅率に呼応して柄もパワーもコンパクト化したと見るべきで、余剰になった出力を魔用してスピーカの2WayみたいなのをPUでやってみたんだろう。
リッケンじゃ無くても偶然ゼロで挑戦する価値が無い訳じゃないが、PUの位置が一般的なのだと単独使用時に難がある。
しそもそもそんな風になるのへ辿り着くのが難しそうなんで、具体例ゼロで目指す者は他に居なかったんだろうね。
今ならそれがあるから方法論としては可能化はしてるんだが、それで美味しい音に迄持ってくのはやはり大変。
何れにしてもその他蹄PUの磁石をノーマルタイプに変更する際、元の音色と出力を変えなかったからこの奇特現象が維持されたんだ。
<つづく>
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