音楽備忘録1198 Rickenbackerの真の姿➏
続いては近年のリッケンの塗装について実態を綴ってくが、強度の点では近年のウレタン系塗装のと比べると若干弱い。
けれど昔のFenderの所謂「Head焼け」(宅の中古MUSTANGなんて最早焦げ茶色💧)とか、Gibson系の溶融してベタベタ(是又宅の中古SGが該当💦)等が起る心配は無い。
具体的な環境条件で比較するとリッケンのは擦れには強いが打痕に弱いといった感じで、塗料の弾力に永続性がある割に部分的に割れて欠落する事がある。
昔乍らのラッカーが音的には最良の様だが、経年でどんどん硬度が上がってって最も打痕には弱い。
変色・退色に対してはFender系のウレタンのと同様屈強で、但しそのF君で困るのが↑に代表されるネックとの塗料の違いだ。
’90年代以降のだと改善されてる様だが、感触がツルツルでは無く少しザラつくのに変ったのが嫌いな人には難点だ。
総合的にだとリッケンの塗装は今や旧態化のそしりを逃れないが、音的・質的に年式の差が小さい点は大きな特徴だと思う。
変らぬ良さに注目してくとリッケンって国宝級で、最もそれが現われてるのが重量だ。
大昔渋谷の楽器屋でバイトしてた時に’50年代の原型FenderとGibsonに触れる機会があったんだが、弾く以前にスタンドから持上げた時点でその軽さにビックリしたなもし。
んでそんなに軽量だと音は軽目になるのかと思ったら、当時1980年代前半の新品より断然どっちも太い音がした。
その時点ではまだ経年で材の乾燥が進んで軽くなった疑惑が残ってたが、現用の宅の(’70年代)が全く重量が減らないから使われた材自体が最初から別物だったらしい確証が持てている。
若い人や歴が浅い人だと↑の原型体験がとても困難化した為理解し辛そうで可哀想だが、視覚だけでは不明なこう云う差異もかなり重要だ。
若かりしガリガリに痩せたJimmy PageがLes Paulに細いストラップで、肩パットがズレて食い込んでるのにどうして全く辛そうにしてないのかが上記体験で氷解したよ。
そんな事がある迄は俺でも少なくともリッケンにだけ心酔してた訳じゃ無く、憧れの銘器には等しく興味を抱いてたんだ。
例に依ってついでで重さの件をもちっと掘っとくと、年々ストラップの平均巾が広くなってたのにはこれが裏にあってん。
昔の人は逞しかったから細いので我慢出来てたんじゃ無く、細くても無問題だからそれで良かっただけって。
それが時代が進むにつれF君やG君の原型タイプはビンテージだろうと限定品だろうとどんどん値が釣り上がってって、でもそれじゃないと使い勝手も音も全然違うんじゃ貧俺には選外とせざるを得なくなったんだ。
少し話しが巻き戻っちゃうがネックの太とさなんかでもその変化は深刻で、’70年代まではF君G君共々細い個体も作られてたのにそれが無くなった。
今となっては何処のどれも過去の遺物同然かも知れないが、他分野の実用品と比べると個性が売りの楽器でこう云う変化は芳しくない。
ので寧ろかつてはお値段高目・重さ重目だった(ソリッドボディの場合)リッケンが、周囲の豹変の中で勝手に生き残ったって感じ。
なだけなんだが無料打込みが万人に可能化した今、わざわざエレキを堪能したいなら最も損し難い選択肢だと考えられる。
それとボディを始めとした木部・金属パーツの全体が厳密には万全な仕上がりではないが、体験的にはほぼ「ハズレ個体」が無かったのも特筆すべき点だ。
工作精度なら近年の程コンピュータ制御とかで高精度になったが、材の素質の面では少なくとも大当たりには全く遭遇しなくなって久しい。
恐らく当り個体のは別の高額ラインへ送られてるからなんだろうが、その高い方のも損こそしなくても価格の割に得する事は無くなったねえ。
<つづく>
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