音楽備忘録1185 Fenderと偽物の差➊
エレキの元祖はリッケンだが、より普及に貢献したのがこれとGibson等だった。
その中でFenderは最もエレキのスタンダードを確立した点が大きく、私的には功罪相半ばと感じてるがそれは本家のと追従者に何時迄も隔たりがあったからなんだ。
鍵盤やAmpの方ではそれ程でも無いが、Guitar・Bassに関しては実使用上かなり差がある。
尤も近年は本家の方も悪影響を受けてか大部個性が弱まってるが、’70年代一杯位迄プロ程拘ったのには明確な理由があったのだ。
縁あって10代の内から体験してるのは、中古で下位グレードのだったんだけどね。
過去述の如く非主流派とか不人気のだったんで、当時の日本の固有事情があったにせよ国産新品の本格派より安価だった。
恐らくその頃から誤認する人が増え始めたんだろうが、弾けりゃOK大体○○な音がすりゃOKだったら確かに旧式な割に高価のなんて勿体無い。
けれど本番で限界に近い状況を迎えると歴然の差があり、未だ幾らも縮まって居らんのどす。
その原因を実はベテランの俺でも明示出来ないのは何だが、結局は小差の蓄積とその組合せ結果がもたらしてるんだと考えている。
その中から今日はGuitar・Bassの指板R(曲率半径)と細いフレットを取上げるが、今では限られた一部の者以外には不親切な仕様だろう。(本家のもかなり刷新されたのが多い)
貧俺にとっても摩耗に弱いフレット細さは困りもので、常用2本の状況を続けざるを得ない様なら次回更新では太くするかもしれない。
だが「他より指板が丸くフレットが細い」のをキャラクタと考えると、現代ニーズに親和性が低くなっても無碍にするのはどうかと思うんだ。
随時頻吠えの如く俺はビンテージヲタじゃ無いが、楽器に対する基本理念等の点で古くからのブランドの知見は皆が想像する以上に重要とみてるんだ。
コンピュータシミュレーションが常套化して新たに生じる弱点として、生身の実演者の問題が現状は配慮不足なんだろう。
これを補うには超達人でも厳しい本番では、あんな処やこんな処が普段より雑になったり甘くなるなんてデータをもっと取ってかないとね。
けど腕で名声を得た者程そんな処は見せたくないから、余程大儀を掲げ熱意を持ってお願いしないと断られて当然だ。
それでか年々利用者の稀有な意見より理論で作られる様になって、理論上有効度の高い仕様へ走りがち。
その結果初期印象は今のの方が格段に扱い易くなったが、音や演奏内容のみへ目を向けると個性が弱まるばかりに。
確かにフレットは細い程神経を使ってしっかり押さえなきゃなんないし、上述の様にそうする程摩耗も進む。
けれどそうしないと得られない音色やニュアンスっつうのが実在してて、そうであるか無いかは状況が厳しい程大差となって表れるのよ。
のでホントはブームが過ぎたら少なくとも従前からのモデルについては、かつての量販は諦めてしかしブランドの個性だけは堅持しといて欲しいんだけどねえ。
ってのも年寄りが幾ら若ぶったって、一番好きなアイドルとかの話題でボロ出ちゃったりするじゃん。
加えてそれ迄にスッカリ定着した印象に引き摺られるんで、実際は最新の内容となってても名前だけで古い匂いがしちゃったり。
その挙句そもそもの独自性を失い、何時の間にか本来はどんなだったかが五里霧中に…。(他人事じゃないだけに…😓)
まあ材料入手や製作上の都合から変更を余儀無くされる場合もあろうが、内容がこんなに薄まると外形の価格だけ大体昔のままでもなあ。
あの音と感触が欲しい際には無意味な存在で、それ以上に問題なのが俺言い「本来の姿」を新品じゃ殆ど堪能不可になった処ある。
<つづく>
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