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2022年11月 9日 (水)

音楽備忘録1181 楽器Amp同士の組合せの話し⑱

続いては今時最も気になりそうなAmpの球と石の共存についてだが、最大音量以外これをすると損するのは石の方なのだ。
石のは球のと音色的に協調させようとすると籠り気味にしなきゃなんないし、その逆に悪目立ちを辞さず目立たせようとすれば所望よりかなり刺激的な音色にしなきゃなんないんだもん。

の物理的裏付けとしては石は偶数次より奇数次高調波が出易い性質があって、奇数次の全てが悪では無いが音楽ではニーズが格段に低い成分だからなんだ。
現時点で石でこの弱点を解消可能なのはデジタルバーチャルで、しかし現行の時分割方式ではレイテンシが生演奏には大問題だ。

これがハーモナイザみたいに「足す」分だけなら、多少のズレも却って如何にも2つある感じがして良いかも知れない。
だが主役単独でそんなじゃ扱い難いし、ってかどうせ何かAmpが必要な際ならそんなのより唯球のにする方が手っ取り早い。

つまり現時点でのデジバー君の存在意義は、大きな音を出せない宅録等用限定と思うべきなんじゃないかな。
どうも最近一部では球無し石ありき論法が横行しててけしからんが、初期投資額が低いからって商売っ気だけの甘言に騙されませぬ様。

わ兎も角過去述の如く何処かで一回でも球を経由した方がマシにはなるが、この件で安全パイなのは少なくとも出力段が球になってるヤツだ。
近年は見かけ上の音色(おっと失礼)の為にプリ部には球が入ってるのも結構あるが、最高に上品に言ってAmpからのじゃ無く「PAを通った後」の音同然なのよ。

でその際PAは基本的に音響の専門家しか扱わない想定の機器なんで、無理はさせないもん…っつうかそんなんしたら壊しまんがな。
それを平気だからと石の楽器Ampでやれば、少なくとも音質と音色はプリ部で設定したのからは大部劣化しやす。

中には賢い設計のだとそうなって狙った音になる様に設計されてるのもあるけど、「石に依る音の変容」が追加されて球本来の良さはかなりスポイルされちまう。
このハイブリッドAmpの件って今では頭だけ球ばかりになったけど、黎明期には逆のもそこそこあったんだ。

海外のでは宅現用のMusicman等・国産でもJugg BoxやVesserなんてのが結構名を成してて、いま主流の球入りプリ式はお手頃だったがGuyatone位しか無かったんだ。
出力だけ球式は価格や重量面も含めるとご利益が少なくてすっかり廃れたけど、それも全球式Ampが無くならなかったからなだけの話しなんすよ。

追打ちぶっちゃけも付記しとくと楽器Ampだって販売量は、業務用より一般お楽しみ用の方が圧倒的に多い。
中でも自室用のはフル稼働される事は稀で、その場合は石の出力段の欠点漏出が最も少なくなる。

つまり上出のJとV君は業務用としても認知されスタンダード化するのを狙っての措置で、最初からプロアマを別物思考としてたGさんだけがローコストを追及してた訳。
でⅡで実際に全球物とハイブリ君を混ぜて使った感想はってぇと、出力段が球で揃ってないと色々不便や問題が出てますたっと。

私的には忌避事項としてるBassだけ石の方がプリ球ハイブリ混成よりゃまだマシで、但しそれだとBassだけ出演クレジットに名前が載らないエキストラみたいになっちゃうけどね。
因みにプリ石・パワー球の音の感じはっつうと当り前過ぎるかもだが、手っ取り早く例えるなら石のストンプで歪ませた球Ampの音。

その逆にプリ球・パワー石のは球ストンプ+石Ampになるのは理屈的には納得も、音色を大して作って無い筈のパワー部石の影響が案外大きいのにはご用心ある。
何等の事情でプリ球・パワー石の使用が避けられない際、私的には効果不充分だがせめて最大出力の半分位で足りる機種選択が出来れば被害を最小化出来るかな。

もしかしたら最近の不要巨大出力のMos-FET Bass Ampには、高調波と↑の件も込められてるのかも知れない。
そんなで満足出来てたら幸運も全球の体験が僅少でだったら、俺としては早期に本番での全球体験しとくのを強力にお勧めよ。

<つづく>

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