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2022年11月14日 (月)

音楽備忘録1186 Rickenbackerの真の姿➋

何だか弱点擁護みたいなのからになっちゃってるが、どうせだからそのまま続けちまおう。
脆弱性で誤認を招き易いのは、恐らく見た目や大きさと必ずしも強度が比例してないからでせう。

実は絶対的強度としてはGibson系マホガニーネックの首部や、Fender系ブリッジの駒等細かい部品の方が全然弱い。
だが前者は兎も角後者の特に鉄板プレス物は見るからに華奢なのと、交換部品の入手性がやたらに良いから気になり難くなってんじゃないかな。

って事って今日はブリッジ周りに絞ってお送りしてくが、見かけに反するって点だとBass用のテールピース一体型のダイキャスト部の強度だろう。
最初期型の鉄板プレスのよりゃダイキャストでも年を追う毎に強化はされてたが、’80年代の一時期に見られた様な後部2本の追加ネジが無いと調弦したままにしとけない。

俺は過去述の通りオーナーに許可を貰って自前追設してるが、これについても深掘りすれば思想の違いが真の原因なのだ。
奏者の理想を突詰めてけばネックは細い程有利で、少なくとも弾き手の手の大きさをより選ばなくなる。(指先が巨大な方にはマイナスだが奏者全体数的比較だと)

加えて構造的にエレキみたいに細く出来ないのだと、親指を押し弦に使えなくなるんだよ。
ので個々の好みに立入る気は毛頭無いが、太いのしか無いとか太くしか作れないのとの良い意味での違いだけは誰にでも分かっといて頂きたい。

っと脱線し掛ったのを戻すと、本番時に最忖度すれば保存時の手間を犠牲にするのだってやぶさかでは無いのだよ。
その表れの一端として現行の日本版カタログには皆無だが、過去の一時期のには気に入らない処は自分で自由に変えちゃってなんてくだりがあったんだ。

つまり自動車だったら一般市販用と競技専用バージョンの違いと近似で、リッケンはこの比喩だとレース仕様の方を標準にしちゃってるだけなんだ。
本格的な本番に際しては必ずコンディショニングを行うもんなんで、少し穿った見方をすりゃ他の主流派の量販品より玄人向け設定とも思える。

のからすると日本では比較対象を間違えて判定してるとも看做せ、ネジ追設は差し詰め昼専用レーシングカーにヘッドライトを後付けするのと意味的には同等なんすよ。
とは言え今時「ネジ追設バージョン」を出してくれないのは一寸不親切な気もするが、この部分は例えばFenderがセットはおろか頑としてスルーネック仕様のを作ってくれないのなんかと比べるべき箇所でんがな。

とそこそこ綴っといて近年モデルチェンジした新型の強度を全く知らないのは、杜撰大王とは言えスマソであるが。
只ブリッジ駒が独立仕様じゃ無かったのも私的にはポイントだったんで、他との音的個性の面で大巾に興味が持てなくなっている。

テールピースより寧ろ深刻なのがブリッジ自体の強度で、テール君での露骨なめくれ上がりみたいなのは起きないが余裕が無いのは確かだ。
標準ゲージ迄なら無問題だがそれより太くしたい際、こっちだとネジ追設等の対策で賄えないからねえ。

かつてはかなりマイナーだがどっかが交換パーツを売ってた気がするが、今はテールピース諸共の交換品しか出て無いんでこれは問題かも知れない。
尤もこれも他所のでブリッジ駒の調整範囲の狭いタイプのだと、Guitarで10(いちぜろ)弦のオクターヴが合わせ切れないなんてのもあるかんね。

なんてのも含めてくと制限があったり他のと違う手間が要る際もあるが、総体的な強度面では特に優劣が付く様な状況では御座居ませぬ。
真相としては調整のコツが実使用者が少ない為に、浸透してないのの方が大きいと思いまふ。

<つづく>

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