音楽備忘録1163 楽器Amp同士の組合せの話し⑫
今日は過去のMarshallとEric Clapton,Jimi Hedrix,Edward Van Halenの、考え様に依っては魔な使い方を。
どれも聞き古された話題だが、部分的には案外見落してる人が多いんだ。
私的にはかなり重要度が高いのにと感じてる見落とし共通項が、普通のM君のより「低音が出るスピーカユニット」としている点だ。
だが推論の域を完全には脱せないが、その主目的は3人バラバラ。
その手段だって皆違うにも拘らず、↑の「低音」が結果的に近似となった処にご注目頂きたい。
只手段に関しては後年になる程スキルアップ・パーツの増加と入手性の向上等があったんでそのせいかも知れないが、各自の個別事情への対応には今も参考になるんじゃないかな。
1.Eric Clapton:1962(Blusebraker Combo)
エレキAmpとしてはありふれた構成だが整流管仕様なのと、メーカ側の設計用途設定はBass & Lead Modelとなっている。
当時のカタログに依れば10inch×4の1961がLead Model(Guitar用)で、EricはBassには手を出さないので音の都合だけのチョイスと思って良いだろう。
ぶっちゃけそもそも原型M君の回路はFender Bassman(Tweed 10inch×4 Combo仕様)のほぼパクリで、本家原型の時点でGuitar用への魔用があった。
がEricさんの場合は美しく歪ませるのに回路部では低音控え目が必要になり、恐らくそれをスピーカユニットの性質差で補おうとしてたんだろう。
2.Jimi Hendrix:(12inch×4キャビでBass用ユニットに換装)
Jimiさんの場合渡英してEricの影響も勿論あっただろうが、イメージ的にはFuzzの使い魔でも案外生音も多用している。
又合せて所謂Crunchも同等に多く、その場合あのFuzz FaceはOffも少なくない。
となるとCrunch用のストンプが無いので、AmpセッティングはCrunchに最適化しといて生は楽器ボリウムを絞って得る算段になる。(当時は歪ませチャンネル等無かった)
その際トリオ編成で伴奏の責を逃れられないから、低音が普通の範囲に収まってくれないと不都合なのだ。
しかし回路側で足りるだけにしとくとCrunchが、低音から歪み始め潰れてFuzzっぽくなっちまう。
又ⅡでFuzzをOnにした際Fuzzって高域が目立つけど実際の特性はドンシャリなんで、更に電子回路側では低域控え目が強要されるとな。
3.Edward Van Halen:周波数特性がやたら「下寄り」なユニットへ換装
主目的は違うったって所詮は発展形ではあるが前2者の発想は下を盛るのだったのに対し、「上を控える」ってのが新規と見做せる。
あそこ迄Gainを上げると普段は量の少なかったローハイエンドの両方共感度充分となり、下は余計な分を回路セッティングで減らせるが上はM君には「削る機能」が付いて無い。
これ英では前回述の黒さん達はVOX AC-30のほぼ唯一無二の機能「Cut」つまみも活用してるが、もっと急峻な特性が欲しければ先頃俺杜撰大王様がぐうぜんはっけん開発した!?特殊回路でも用いない限り頭側では上手く削れない。
それがEddieさんの場合もっと歪みが深いんで、ハウリングマージンを取る為にも妥協が許されなかったと。
処で2.の件は昨日初めて知ったって杜撰さ健在の体たらくだが、過去傾向を総合するとGuitarでは低音をBassでは高音をもっと欲しがって色々な経緯が生れたのが分かる。
こり俺様お得意の最も単純な「原始人思考」で捉えると、人耳の性能はどっちを聴く時も変わらないんだから当り前っちゃ当り前の現象だったんだよねえ。
本項との関わりはこの事を加味しないでAmpを選んでると、後で機種変とかそれでバランスが合わなくなったとかありそうで取上げた次第。
特に前2者のは余ったらAmpの該当ツマミを下げりゃ良いんで、手戻りの心配が無くて良いんよ。
<つづく>
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