音楽備忘録1134 昔のRock系は大音量で聴くべきもの???➋
前回後部補遺に続き物理面の検証へ進むが、音楽の技師が音響に忖度するのはオーディオ技師への謁見行為でもある…なんちって。
いやさ俺みたいにその辺りが全部兼業だと、あんまり境界を曖昧にすると永遠に仕事が終わらなくなって困るだよ。
っつうかたまには少し真面目に言うと、音の問題解消や向上にも原因次第で何処でどう処理すべきかの適性がある程度決まってんだ。
もし1つの方法(例えばMixingだけ)しかやれないならそこで頑張るしか無いが、真因がMic選択ミスだったらそっちをやるべきだしじゃ無いと改善効果が足りんかも知れん。
なので今たまたま頼まれてやってるだけで私はオーディオ屋、ってんならバスレフスピーカの計算設計と製作位すぐやれるんだね!?。
その逆と言うなら(つまり音楽屋)機器製作は無理でも、楽器はそこそこ弾けるんだなっとな。
とかなり恫喝チックに吠えてるが、要は仕事の本質を甘く見てると最悪「全てがアマレベル止まり」になっちゃうんだ。
オマケにもしそんなのだけが集まっちゃってたらお互いを批難するばかりで、成果も上がらなきゃ延々嫌な思いをしつつ帰宅出来ないなんて事になる。
わこの辺で鞘に収めとくとして、昔の一般用再生装置の出力ってホントに今より一桁小さかったんだ。
以前術の通り一般各戸の電気容量が先ず少なくって例えばクーラー付けたくても、本体価格・工事費・運転費は未だしも電気使用契約の変更と配線やブレーカの交換工事だって必要な事が多かったんだ。
例えば1970当時の日本の普通の家と仮定して、中には新築ホヤホヤもあろうが平均を取れば築5~20年位経ってるのの方が多いでせう。
すると電気系統の設計は容量も含めその分「昔の」だし、特に高度成長期みたいに進歩が早いとそれだけ旧弊な設備になっとる訳ですよ。
更にそんな時代でも全ての機器更新サイクルが短く盛んだったんでもなく、まだ一応使えるのがあった家では旦那がオーディオヲタでても無い限りステレオ如きは継続使用があったり前。
俺の実家の新し物好き親父でもラジカセとかはすぐ買い込んだが、ステレオは遂に一度も更新せず一生を終えたわさ。
尤も親父はちっともHi-Fi趣味じゃ無かったんで、気楽に聴ける装置にしか興味が無くなって久しかったけどさ。
でこんな意外な真実みたいなのは今だってそこそこ隠れて存在してんだが、日本では1980年頃迄はある所には球機器って結構一杯残ってたんだ。
尤もⅡでそんな古臭いのが未更新ってのは普段殆ど使って無いからってのも大いにあったろうが、機器自体以上に使用者の常識はそれより更に遅れて後から着いて来る事となる。
なので俺の実家の球ステレオだったら7Wpeak/4Wrmsしか無かって、けど’65年当時だとそれで平均的なスペックどした。
まあ球のは高能率スピーカと抱き合わされてた分、1Wあたりの実効音圧は今の石のの2倍程度はあったけどね。
これプラス大変重要な今との相違はローエンドとかハイエンドなんて無きに等しかって、音色的には今よりふくよかでも中低域が豊富なのであって低域は今より全然出せて無かった処だ。
かなり以前述「音波は1オクターヴ下がると波高が2倍」の性質から、低音の出る装置程実効出力音圧は大きくなる。
のが↑みたいなのだとロクに出ねんだから、最大音量はその分更に抑えられちゃってたのよ。
そんな環境下で例外だったのはの喧しい食堂・工事現場等のTV・ラジオを除くと、大衆車内のカーステ位どす。
何の事は無い車内騒音が今のより10~20dBも大きかったから、自然発生的に大き目が許容されてたん。
さりとて近年のサブウーハ載せてて信号とかで横に並んで止まられるとこっちまで揺さぶられるなんてのは夢の又夢、唯でさえ喧しくて疲労が激しいんでお気に入りの1曲だけとかそんなで皆限界だったのよ。
故に当時リアルタイム人の感覚的記憶ではガンガン鳴らしてたっても、今平均と物理比較すると全然「大人しい音量」だったんだ。
強いて言い添えとくとすれば物理的不足を補う心理が働いたかは全く分からんが、気持ちの高揚は明らかに昔の方が高かったけどね。
<つづく>
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