音楽備忘録1141 楽器Amp同士の組合せの話し➄
どうにか理論偏寄から脱したは良いが、その反動か何時にも増して尻切れになったのでその補遺から。
バランスが考えられてても合わなくなるのは使い方の想定が違ったりするからで、それを最も安易に回避出来るのは例えばMetal系BandだったらAmpが全部壁Marshallの所を選ぶのも1つの手だろう。
けれどそればっかじゃ独自サウンドの構築にはマイナスで、しかし定番体験が充足する迄だったら必要性もある。
その点機材は既存のオーソドックスなので構わない人はお目出度く、一々変態的なのが必要になる人は一寸不幸と要らん差が付くのは残念だ。
只それは歴がそんなに深くない内の話しで、余程の幸運じゃ無い限り定番吊るしで何でも賄えてしまう事は滅多に無いのだ。
近年になる程○○仕様みたいなカスタマイズされたのが目立ってるが、実際は殆ど定番のしか無かった時代の方が独自小細工は多かったし当り前だったのよ。
その中で非電気屋の人でも少しの学びと経験で、スキルの割に大き目な変化を得られるのがスピーカの交換だ。
交換って勿論文言通りスピーカユニットの取替えだって含まれるが、完成品のエンクロージャを繋ぎ替えるだけだって交換の内なのだ。
処かハコも変わる方が変化期待量は寧ろ増すし、もし戻したくなっても繋ぎ替えるだけで元通り。
尤も日本では不使用時の置き場所等が問題になり易いんで一般化しそうにないが、近似スペックのAmpを複数台所持してたりしたら組合せ変更だけで試すのは可能。
と何だか勧誘紛いの事言っといて俺自身は幾らもハコ替え体験してないが、ある特徴的な音色の生成の主因がHeadなのかスピーカなのか等間接的だが他へ応用性の高い知識が得られたりするよ。
わこの辺で今度こそ本当に具体例を提示してくが、体験上最も注意を要したBass Ampとそのエンクロージャ(一体型も含む)から始めよう。
私感では何が大変ってば使用場所の低域残響の影響が甚大な処で、低域がやたらと響く場所の方が最大音量を大きく出来る事が多かったりする。
近回概説の通り低いの程力仕事になるんで、その高負荷が減ってくれれば余裕が増すからね。
特に増幅回路で低域を盛大に盛って漸く普通の音になる様なのだと、Ampは下から歪み出すので差が大きくなる。
処で実感的には上から歪み出す印象しか無い人も居るだろうが、近年は希少になった歪ませて使う想定が無いAmpで生時のToneセッティングのままだったらちゃんと下から歪み始めるんだよ。
だが物理的にはリニア状態のそれは深く歪ませ様とすると潰れた低音が全体をゆがめ、最後は演奏内容が殆ど分からない様な状態になっちまう。
これがGuitarなら下を比較的削り易いが、Bassとなると楽曲次第ではそうは行かない。
多少の音色的歪みが許せても酷くなると他パートを侵害し出すんで、低音が響かない場所で使う時程パワー不足が深刻になったりもするん。
Bass用で15inch(38cm)以上を過去強引推奨したのにはこれもあってで、低音って削るのは簡単でも盛るのが大変から来とん。
俺自身狭隘にずっと居て空間捻出は全く楽じゃ無いが、補填困難な部分としてユニット口径が最後に残った次第。
因みに10inchでも4つにすりゃ振動総板面積はそこそこ稼げるが、15の1発より同等な低音を出したきゃエンクロージャは大部大きくしなきゃなんない。
能率面では4発駆動の方が少し有利になったりもあるが、音に妥協せずミニマム化を図ろうとすると高耐入力15単発+高出力Headの組合せが最も総容積を節約出来る。
と脱線し掛ったのを戻すと↑は本件に無関係じゃ無く、スピーカ単発Ampは同出力の2発物より大概は凡そ3,4割程度出音が小さい。
今に至る迄日本では数字(出力W)ばかりでロクな説明が為されて居らず、実用上はかなり根本レベルの問題なんだけどねぇ。
だからかつて練習スタジオで「どれも皆100Wで揃ってるから大丈夫」と言っといて、頻繁に散見されたGuitar用は2発・狭いからBass用は単発ってのは悪意ゼロだったとしてもいい迷惑だったわさ。
<つづく>
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