音楽備忘録1106 不当低評価の是正❼
だば俺言いRingoバスドラの特徴だが、Beatles初期にはBassとユニゾンのが多かった。
んがこれには近代との音質の差が結構関係してて、その頃はバスドラとBassの低音の質がかなり似通ってたんだ。
録音では録音機等の・Liveでは個別PAレスで、歌以外は一様に残響成分多目なのがそんな状況を作っててさ。
極端的に申せば低音は拾えて出せるだけで御の字に近いってな調子で、その分今より遥かに「低音でリズムを刻んだ」のが分かり難くなってたんだ。
これがGuitarや鍵盤とBassがユニゾンのだったら他楽器の中高域で輪郭を補えたが、毎度全部をそうしてたら小編成アンサンブルではバリエーションが限られちまう。
加えて今だと視野に入り難いのがそれ以前Bassはウッドの方が主流だった点で、エレキ比だと特に悪環境下では音程の聴き取りが困難だった。
すると他楽器が皆鳴ってる中でBassだけに別のラインを担わせようにも厳しかったのが、エレキ化する事で当時としては新しい編曲が可能になったですよ。
だがエレキ化で余韻(主に直後のDecay成分)が伸びた分今度はアタック音が、相対的に生より目立たなくなった。
アタック音と余韻のバランスって永遠の課題でもあって、近代の上手なスラッパーだって常時充分に両立させるのは困難だしょ。
それをBassのユニゾン相手をバスドラにするので解決しちゃったんだが、従前より音符が細分化する以上に鳴らすタイミングが当初は至難だったろう。
Ringoの場合左利きで右足でとなるから、今の右利きの人だったらFoot Hatを変な処でランダムに踏もうとしたら擬似体験出来るんじゃないかな。
そう云うもんだと知らされてて慣れて来ればどっうて事無くったって、ゼロから始める異世界…じゃ無かったとか未開の原野の開拓には想定不可能な困難があったろう。
純粋な技術的観点からだと俺言い「変・ランダム」は既にBuddy Rich等が実現してはいたが、使い方が異なる故求められる踏み方が違うんだ。
人間手だろうと足だろうと細かい適当なヤツは、先っちょの方でちまちまやるのがデフォだよねえ。
バチなら指も入るが手首・足首主導の方が、大抵は楽だし速さも出せるっしょ。
処が強拍と迄行かなくても弱いの駄目となると、全てを足首で鳴らしてる人以外は脚でも踏まなきゃなんなくなる。
動画で確かめると御大のはJazzなのもあって、案の定Accent以外はほぼ足首から先で鳴らしてたよ。
って事って先ずそんなに強く鳴らしても場所が適切なら大丈夫なのに気付くのと、それを実行するのに不慣れなタイミングでの脚動作の両方をクリアするのは親分てーへんでいで御座居やすぜ。
この面で常時殆どフルのDouble Strokeってのが、手も足も開祖に近かったと思うんだ。
右手の金物系でのDouble Strokeでは例の8の字のが有名だが、あれって普通は弱くなっちゃう方のをそうならなくするほぼ唯一の方法でさ。
足でのスイベル奏法には惜しくも手の8の字程のご利益は無いが、純粋な足首の直線的動作のみよりは補填があるよね。
後者は利用可能な筋肉の箇所を増やせるからだが、前者のは力よりバチの角度が問題だったからだ。
手首若しくは指動作の際バチは先端が下がるんで、HatやRideの「Edgeをバチの肩で叩く」のは角度が真逆になるんでほぼ非実用になってまう。
これってかなり風変りな観点かも知れんが、普通弱くしか出来ないのをそうじゃなくしたって処でもある種のパワーヒッターなのがお分かり頂けるんじゃないでせうかねえ。
<つづく>
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