音楽備忘録1073 定番と奇抜➒
ここ迄は奇抜の具体的手段等が中心になったが恒例の逆順ご免!?で、奇抜の定義に今更だか触れとこう。
我々近辺では最近随時吠えだか、要するに敵を欺くには先ず味方からって寸法でしての。
音楽や音での奇抜って明確に定量的に定義する術が無く、定番からどれだけ遠のいてるかなんじゃないかな。
そもそも定番ってのすら一定数以上の人間が認めてるだけで、突詰めて行くとかなり少数に絞られてまう。
のを魔用すりゃ正確さ深さはそこそこ要すが、覚えなきゃなんない定番は絶望する程多くはないのだ。
その代り極力派生形では無く原典を先に押えとくのがコツで、形や素材としては加工度の低さと開発当初の意図の汲取り易さが重要なんだ。
そうして一面での絶対的な形が身に付いた当初は少し窮屈かも知れないが、時間経過と共に僅かな基本との差により敏感になれるみたいでさ。
一例として誰にでもは当て嵌まりそうにないが、最近一寸凝ってるGuitarのHand Vibratoでの件をば。
発端は過去ネタだがお気に入りのSouthern Rock Bandの人で、チョーキング時に普通とは逆向きに引っ張る人が居てね。(普通引下げるのは低音弦だけで中高音弦は押上げるっしょ)
元々かなり昔ので全国区には少々届いて無かったんで動画は多く無かったが、杜撰大王の本領が発揮されて↑の発見には随分時間を要しちまった。
その人とは今や殆どが死に絶えたAtlanta Rhythm SectionってBandの故Barry Baileyなんだが、最初に興味を持ったのはBassのPaul Goddardの方だった。
内容的には「ジョージアサンダーボルト」の異名が付けられた如くリッケンの攻めたピック弾きが俺の趣味に合致したんだが、一般には肥満体+黒縁眼鏡+昔のオバチャンパーマって異形が真っ先に目に付くだろう。
と発端はBassでも全体が高水準でとてもド田舎の連中とは思えない位、容姿以外は💦洗練されてたから彼等の軍門に下ったんだ。
それで順に学んで行く内にBarry氏の独特なニュアンスをモノにしたくなったんだが、どうも普通の弾き方では寄せられない部分が出て来てさ。
今でもそれだと大変な方が多いし俺には本家比では不向きっぽいが、そこから概知・実行中以外の方法等へも色々お試ししてみる様になって。
その後Jeff Beckのやたら細かいVibratoみたいなのが少し可能になって、技としてはたった1つの微々たる進歩でもかなり全体への影響が大きそうな予感があるんだ。
本家はStratoのフローティングにしてあるブリッジを振動させてるんだが、俺は弦切れ時の音程破綻や普段の安定度がもっと欲しいから浮かしてないんだ。
ので弾き手では掛けられなくてしかし押え手では無理かと思ってたのが、悪ふざけで激しくやってる内に何となく近づけちゃって。
っと本題から逸脱し掛けたんで戻すと、逆向きチョーキングでは「和音での半音上げ」で杜撰流ではあるが収穫があったん。
2弦と3弦で順向きでやると通常2弦の音程上昇が明確に出て、けど一般用途では張力等の事情で2弦の方が3弦より「上りが悪い」から丁度良かったんだろうね。
処がノーマルチューニングでは3弦の半音が調の長短を司るケースが多いんで、和音のまま3弦だけ上げられたらってニーズは元々あったんだ。
チョーキング自体が半音だと逆向きにすれば、3弦の上昇だけを目立たせられる様でさ。
結果従前はBluenote若しくはそれっぽいのは単弦でしか不可能だったのが、可能化したんで御座居。
ってそもそものお題のギミックとは大分離れちゃってるが、発想としてはこんなのが割と有力なんだ。
↑の逆向きも6弦だったらそっち向きしか殆ど出来ないから誰でもそうしてるんだが、私体験ではどっち向きも可能な弦でそんな真似してるのは他に覚えが無い。
「自然となり易いニュアンス」にやはり少し違いはあったものの、単音であれば修練次第で恐らく克服出来るだろうけどね。
<つづく>
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