音楽備忘録1065 定番と奇抜➐
今回は前回出「無段階調整の可否」を深掘りするが、ギミック系のサウンドには生死に関わる程重要なパラメータなんだで。
っと少なくとも俺は痛感してて、その目的が他の音以上に雰囲気の演出だからなん。
RecordingとLiveの両方で同じ様に使えた方が便利だから、その点では再現性が高い方が有利ではある。
が生楽器は直接・電気楽器でもAmpをセットにしときゃその段階迄は同じ音が得られるが、映画やVideoの上映会並の音質を一般的な演奏会場に求めるのは少々厳しい。
となれば物理的な寸分違わずよりも例えばしつこさの質、ねちっこいとか切れ目が一切無いとかそんな感覚的な部分の尊守の方が効果が大きいと思うんだ。
その様な人の感覚は環境差等の補填はリアル人間にしか出来なく、正に「手加減」アナクロ調整でしか得られない。
具体的には例えばそれがDelayだったらリピート数が元は10回だったのが9回に減るより、次に鳴る音に被ってたかどうか等の方が問題となる。
Click不使用の生演奏(本来通常はこれが当然だが)で本番の興奮からテンポが上がったりすると、↑はとてつもなく重要度が高まるんじゃない。
加えて私感としては例えばPiano系の楽器は音階間の音程が普通は出せない等、どれもが自由に融通を利かせられはしない。
こちらの面ではギミック≒オマケには最大の自由が与えられてる筈だから、そこにデジタル化で生じた制約が付くと「使うの止めとくか」って気分になっちゃうんだ。
この問題を最も早く察知したと思しきにPrinceが居り、デビュー前から電子楽器に精通・多用してた割にギミックでの利用率はやたらと低い。
尤もその境界線は無きに等しくドラムマシン(Linn LM-1)の使い方で大流行を起こしたりもあったが、その実態は当時垂涎のサンプリングのを変態リズムボックスと見做してるとしか思えないとか。
んが頻度の多いのはエレキGuitarやSynthe+Effectorでこしらえたっぽいので、音の斬新さの割には随分昔の映画やドラマの効果音みたいに手作りをしてた様だ。
個人的にはそれが増え過ぎてデビュー時よりどんどんオーディオ的にはLo-Fi化してったから、興味が薄れて離れてったけどさ。
けれどもバリエーションの豊富さ自由さでは大いに見所満載で、逐一肉体的訓練や試行錯誤が要求されても余りあると感じられる。
最初の内は誰だってなるべく簡単で確実なのを求めるけど、一度使ったら少なくともすぐには同じのは使いたくない方が多いよね。
余程得意で気に入ってそれがお似合いのだったら、スタイルの一部としてトレードマークに出来るかも知んないけど。
何れにしても長く演ってくと技や方法の種類だけを増やそうにも限界はあろうし、折角違う新しいのを使っても音に大差が無かったら演る側だけの自己満認定されちまう。
ので今だから言えるだけなんだが理論物理なんて二の次で、結局はどれだけ「今迄に無かった感じの音」を出せるかなんだと思うん。
本当のアドリブでそれをするには達人級じゃないと難しいにしても、こんな部分で現状デジタルの融通の利かなさ過ぎよりは大分マシなんじゃないかな。
万人にわざわざ古いのを勧める気は無いけれど、万一より可能性の低い現状デジタルのだけで苦労して諦めてるとしたらさ。
この件のみじゃないだろうが最近の日本のに面白味が減り続けてるのと、オジサンは関係がある気がしてならないんだ。
<つづく>
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