音楽備忘録1053 定番と奇抜➍
では早速俺言い「毒音」についてでやんすが、用法が正しいのだったら演出的効果音若しくはその代用となってる様なもんでありんす。
併せて入り切る様だったら若年層程音色への拘りが退化してる件にも触れたいが、一般論若しくは認識からしたら寧ろ逆になのは承知の上で。
俺って楽器演奏よりオーディオに始まり音楽でも映画やドラマへの興味の方が先で、特にクソガキ時代はバカでも理解出来る色んな効果音にも同じ位嵌ってた時期があったんだ。
今振り返れば要するに面白いとか珍しい音のヲタだった様で、だから音楽でもジャンルも楽器も当時の自分にはお初のの方が興味深々だったんだ。
勿論美しいのやロマンチックなのにだって独りでだったらウットリしてたが、そこは男児特有のテレや恥ずかしさもあったからさあ。
特に男同士だと昭和のクソ坊主には共通性の高かった、アニメなら擬音・戦闘シーンのあるドラマなら格闘擬音・銃撃や砲撃とか爆発音なんかが話題の俎上に上ってたんだ。
その中からキリが無いからここでは主に拳銃の発射音を生贄として進めるが、実音を知らないから所謂「ズキューン」とか「バキューン」なんてのに見事に騙され「うぉお、カッケ―」なんてなってたのよ。
実際その偽音は恰好良かったけれど、火薬等の炸裂の他に金属共鳴とか機械動作成分がふんだんに盛られていた。
ずっと後になってまあまあ日常的に本物のを耳にする機会を得てみると、音量はかなり違うけど駄菓子屋や模型屋で買える紙火薬とほぼ同じ音色だったん。
因みに↑はナントカ組員になってたとかテロ組織とかとは全く無縁で、山奥の別荘の草刈りバイト時の猟師の銃声だかんね。
山ったって標高せいぜい200m未満だから高さは全然だが、人間の入植度とかからしたら道路以外は開拓に近い様な状況で。
わそれとしてそんな小振りなのでも山は幾つか連なってたから、典型的なやまびこ現象は頻繁に起きていた。
ので銃自体は「パン」だけのに天然DelayとReverbが付いて、「パッ、カァーン」なんて風に聴こえたよ。
それより大分前大人になった頃に刑事ドラマのは嘘とは知ってたが、猟師の撃つ前の掛け声が無かったらかなりビクッとなりそうな刺激はあった。
のでⅡで真実に触れて暫くは騙された虚しさが上回ってたが、後には寧ろ演出の秀逸さの方が心に残ってんだ。
その訳をつらつら行くと何れも現実比で再生可能音量範囲の狭さ、振動・匂い要素の完全欠落を少しでも補ってたんだわね。
火薬の匂いって花火大会とかで町場でも、風向き次第じゃ発射場至近じゃなくても分かるけどさ。
「パン」はタイヤのパンク・風船の割れ等他のでも破裂音自体は近似で、硝煙や火薬臭の方が特定要素なんだよねえ。
でも当り前だがTV・ラジオ・汎用メディアじゃ、そんなの付加するなんて不可やん。
ならば音量差の大きさでってのは少しは実現性があるが、例えばアルバム最後の曲だけに入ってる爆発音のリアルさの為に他のを法外な小音量にしとくってのも普通は非効率で駄目だべ。
それで前回匂いを伝えられる可能性のある生の舞台ならばと申した訳で、しかし今時は大抵の会場で安全性から火薬なんて駄目出し喰らうだろうねえ。
この様な状況があるんで意図的であっても単純に変なのを入れただけじゃ、こっちの思惑が伝わるのはとても僅少なんざます。
確かに他部分との音色の乖離は必要なんだけど、それ以外はメディアの規格でがんじがらめに縛られるから無理。
んでどうするかったら音に付随した画がある場合は、そこに映ってる物から「出てそうな音」を加えとくと音の面からも「何が出した音」かをアピール出来る。
んだが純粋に音楽となると画は含まない事になるので、更に別の方法を模索しないと全然匹敵させられんのです。
次回からこの件の好例を提示して行くが、楽曲中では音自体の奇特さより組合せや使い方の方が圧倒的に目立つし効果的なんすよ。
<つづく>
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