音楽備忘録1028 中古楽器 整備の苦悩編⓰
プチお久しで普通の続報だが、前回手掛けたMoon5Bassとエレガットはどうやら軌道に乗ってくれた様だ。
他の多数のも含め最低11年メンテレスだったんで、状態が落着くのに暫く掛ったのはやむを得ない。
一時的とは云え劇狭から開放されるにはとっとと販売予定のの撮影に取り掛かるべきだが、更なる若干の手直しの覚悟は必要だろうね。
それもあって又腰が重くなってるが、取敢えずエレガットの電気出力の件を記しとこう。
端的に言えば結局は接触不良が原因だったんだが、その箇所が多岐に渡ったのと全く通じなくなってる箇所があったのが一寸レアだったかも知れない。
エレガ君の電気系統は未説だったんでそこから始めるが、基本形はPIEZO PU(圧電)3×2群+9V電池駆動のPreampって構成だ。
そして多少個性的なのがPUは1~3弦・4〜6弦と偶数奇数の割振をSWで選択可能なのと、出力ステレオでJackがch毎に1つづになってる処が一寸珍しい。
で電池があるからそのOn/Off片方だけステレオ/モノ兼用になってるののステレオ⇔モノの切替機能がJackに要求され、その接点に全く導通しなくなってるのがあったん。
このSW付きJackって複数接点のが複数あるのだと少し面倒な処があって、SW接点の清掃がかなり困難な癖に全く密封されてないのが殆どでさ。
パッシブタイプのリッケンでは単細胞!?な古典的Switchcraftのオープン型で用が足りるが、それであればアクセス性が良いのに加え接点バネ力が強いからまだ良いんじゃけぇ。
けどStereoで2つそれへSWが2つとなると、バネを↑より弱目とかなきゃとてもじゃ無いが普通に抜き挿し出来なくなっちゃうからね。
しかも単細胞君のSWはOn/Offだけなのが高機能プラ君のはOn/Onタイプので、Jack部と絶縁した別構成にする為に実際に使われてるバネ接点数は合計6枚もあんねんから。
コイツが大昔には大層大柄な代わり絶縁部以外丈夫な全金属製だったんだが、コスト・サイズの優位性から今はほぼコンパクトなプラ筐体のだけになっちまって。
一般的大多数の用途では確かにその方が何かと好都合なんだが、楽器みたいに長く使い続ける事も少なくないのにとっては有難くねんで御座居。
尤も最初原因箇所の特定が全く出来て無かったから結局全部開けたんだけど、それでPreamp部のアルミケースをボディに固定する部分にも1箇所問題があるのが発覚。
これボディサイドの湾曲したのへほぼ直方体の箱をネジ4点で固定する式になってて、その内の1本が長さ不足で殆ど箱に届いて無かったん。
当初気になったのは内部配線が無固定で力木に自由に接触し放題になってた処で、もしかしたら大元はテープか何かで少し縛ってあったのかも知れないが…。
現時点迄の試走試奏では特に悪さはしなかったが、必要とあらば後で対策するつもりでは居たんだ。
してこう云うのってエレキだってGainを上げりゃ問題化するが、基本形が生楽器だと「鳴り」自体からしてもっと悪影響が出る場合が多いかんね。
最低条項として固定するなら微動もしない・動くなら他を全く干渉しないのが基本だろうから、幾ら表皮の柔かいケーブルでもどっちもそのままじゃ不味かったん。
きっと現行品ではここのだってノウハウの蓄積で進化してるだろうが、どうも純然たるアコギ工房としては電気武装の黎明期の作だったらしい。
んで杜撰流Jack愚痴へ戻ると完全密封では無くても、電子機器ならケースで大体塞がれとるがな。
んが例えば昔の管球式とかだと放熱の為に通気性を持たせてるのも少なくなかって、アコギボディはサウンドホールがあるから現行主流のより古典式の方がマッチしてたんだ。
そりゃJack部の内側にカバーでも付けときゃ少しはマシになるが、そうすると伝送専用設計にしないとボディ内容積が減って今度はそっちの悪影響も考えられるからねえ。
<つづく>
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