音楽備忘録998 中古楽器 整備の苦悩編➐
さて漸くエレキは1本を除き方針が定まったんで、今度は更なる検査に入った。
処で預かる際にどれか1本位は本人の手元に残してはと進言して、そのGuitarは既に手渡している。
では残りはっつうとMoon JJ-5ってBassで、今回の中では最も新しいのもあって最高値が付けられそうな代物だ。
そんな良いのだから残したいんだろってまあ正直半々だが、常時アクティブのEQ用ポットが壊れててエレキ状態での試奏が出来て無いねん。
これがパッシブに切替えられるのだったら後回しにも出来たが、電気的に出力させられないのではオクターヴ調整すらちゃんとは出来ない。
そんな方式のだからポットの結線が普通のより一寸複雑で多く面倒だったが、意を決して兎に角何処が逝かれてるのか取外して調べてみた。
経年は10年超だがほぼ新古状態だったんで、マトモに回せなくなってたのは不可解だった。
本体から抜き出しハンダで線を外し、ポットを分解(裏側の金属蓋の爪を伸ばして取外す)してみたら!!!。
内部金属スライダーとセンタークリック機能を司る、プラ製部分が割損してやんの。
見た処直接の原因は油か何かに依る浸食みたいだが、径が16mmで小さいのも災いしたらしい。
そのせいか知らんが代替部品を物色してその画像を見ると、本家から同じのが出てたは良いが何やら裏蓋の様子が一寸違っとるぞなもし。(当該器では電気系統は元から全てBartolini製)
どうやら旧型のは少し設計に無理があったと思え、何れしてもここから先はもう部品発注してからだ。
っとこれより先に取組んでたのがTalboの回路で、電気的にはこれが最も魔改造が多く施されていた。
時代的流行とオーナーの趣味からか基本的には殆どのに、ローインピーダンス出力のアクティブ化が図られていた。
どっかのハイインピ信者以外には改良なんだから悪くはないが、Talbo等のはパッシブ切替不可能仕様で電池の交換性が考慮されてないのが引っ掛かった。
アクティブサウンドありきの人には大した事無くても、必須じゃ無い人には手間の方が嫌われるのは間違いない。
して交換性を高めるには他のも含め楽器裏に穴を開けて蓋を付けるか、ピックガードを分割する必要があるのしか無かった。
例外は元からアクティブタイプのとSteinbergerので、後者は同型にアクティブ仕様のがあったからか電池スペースのザグリは既に元から施されていた。
そこでオーナーに依るアクティブ改の内SteinbergerはPUがEMGなのもあって常時アクティブ仕様のまま追加改良するとして、元がパッシブオンリーだったのは復元する事とした。
因みにピックガードを外して電池交換するのでも、ボディと弦間が広目のだと完全に弦を外さなくても行けるのもある。
宅のでは魔改Mustangが上記に該当するが、全く弦を緩めずにとは行かないから他人には勧められたもんじゃない。
これって交換だけじゃ無く「潮吹き対策」上も大いに関係アリで、簡単に外せれば面倒だからと放置してやっちまったになり難いんだ。(流石に杜撰大王だけではあるまい)
使用者次第だけど楽器って機械であっても奏でる道具なんで、演奏に直接関係しない箇所の2次災害には遭い難くしとくのが良いでっせ。
やっと時間が取れたから久し振りに弾き捲ろうとしたのに、電池の液漏れ清掃に翻弄されたら悲しいやん。
しかも汚れただけで済みゃ良いが、他の金属部等を盛大に腐食させる事も少なくないのよ。
そうなると部品交換も要るんで予備の手持ちでも無かったら、幾ら手間を惜しまずともほぼその日の内には弾け無くなるある。
<つづく>
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