音楽備忘録1009 Guitar調整の真実➊
中古楽器 整備の苦悩編でも体験中なのに際し、Guitar(Bassやアコギ含む)の調整で周知の進んで無いの若しくは誤認されがちなのへ言及してこう。
私的筆頭案件としては例えばRickenbackerのデュアルトラスロッド調整等がそれで、当節本邦の巷じゃ随分と腫れ物扱いされてたりする。
確かにお気楽には程遠いが、実際は一般的な1本物と極端に違ったりゃしてねんだけどね。
只深掘りすると伏線はあって1980年代前半頃にロッドの仕様変更があり、それ以前の旧式のは機構が普通のと全く違ったからその印象を未だ引きずってるのかも知れない。
ここでは実作業に主眼を置くんでメカ的詳細は割愛するが、旧型ロッドは微細な調整には優れるものの1作業での調整可能範囲がとても狭かった。
尤もⅡで別項述Moon JJ-5系の如く一般仕様のだって反りが大ききゃ、複数回に分割しないとロッド固定部を壊しちゃうだけなんだけどね。
故にネック反り修正は徐々にしか出来ないってのがもっと周知されてりゃ、あらぬ誤解は解けそうな気がするんだ。
では杜撰大王らしく逆側から眺めた魔のも付記しとくと、ネックの構造に依っちゃ無茶してもネック自体は壊れないで済むケースもあるってのを。
Fenderのワンピースメイプルのだと指板剥離は構造的に無く、Gibsonでローズウッド指板・マホガニーネックのではメイプルのよりゃ剥離が起き難い。
但しやはり無理をすれば↑以外の色んな危険性はまんま残ってるんだが、運が良いとそんなでなんとかなってしまう事もあるん。
けれどちゃんとしたやり方をしても↑↑のMoonのみたいに片側だけ反りが多い際、シングルロッドの方が格段に手間も掛るし修正が困難なのだ。
そう云や極最近何処かの正直で親切な記事で初めて目にしたので、「1回の反り修正につき半回転迄が安全圏」ってのがあったな。
目安としてはとても良いのに今迄何処も掲載しなかったのは、例えば力尽くで目一杯締められたばかりなんて場合にはそれでも危ないからなのかな。
たまたま運良くギリギリセーフで崩壊しないで居た場合、何処へどんな僅かな刺激が加わったってそりゃ逝っちまうからね。
結局最終的には現状把握の正確さが重要で状況判断が要求されるが、半回転に加え修正間隔は最多で日に1回ってのの2つ位はもっと周知徹底を図るべきなんじゃないかな。
楽器になってるのを「死んだ木」なんて言う奴も居るが、それは植物としてであって構成材としてホントにそうなってたらきっと全く響かないし微動だにしないさ。
確かに自然治癒とかは全く期待出来ないが、徐々に変化したり適応する能力はある程度残存してるん。
ので仮に常に専門家に委ねるとしても、普通Guitarには自動車の整備手帳みたいなのは無いからね。
持ち主が全く無知で無情報ってのは、俺はリスキーだから感心しないよ。
とは言えあらゆるタイプの使用者が居るのを考えりゃ、極力シンプルでダイレクトな方式の方が優れてはいる。
だがFender系の殆どのみたいにネックがデタッチャブルなら最悪時は交換可能だが、セットネックやスルーネックではそうは行かない。
それからすればユーザーに世知辛いのはネック交換不可なのにシングルロッドので、長く使い続けたい者にとってはデュアルの方が親切なんじゃないかな。
まあたかがエレキ如きに長寿を求める人は少数かも知れんが、木材とその組合せで大当たりが出る確率はそんなに高くない。
のからすると当初の扱い易さ・コスト・製作工程をケチり過ぎるのは考えもので、この辺はClassic系生楽器比では歴史の浅いのが災いしてるのかな。
<つづく>
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