音楽備忘録1015 電気楽器の出力インピーダンス⑦
では「楽器→ハイインピ→球」だけが、何故独特な反応になるかの種明かしと参りませう。
メカニズム的にはホントはインピーダンスより「球以前はパッシブ」なのがミソなんだが、楽器に内蔵可能なアクティブ電子回路でハイインピ出力にするのが現況ほぼ不可能なんで。(そもそもそんなんして意味あるかったらほぼ無いが😅)
更に掘れば確かに出力インピはハイではあるが、それよりも大きく変動するってのがキモなのでありんす。
増幅器を伴う電子回路(要電源=アクティブ)の入出力インピーダンスって、定められた電源電圧の関係からも殆ど変動しないんだ。(それが安定伝送に貢献してんだが)
それに対しパッシブ(電源不要)のだと状況次第で大変動する場合があるのは、電源の縛りが無いから。
だばなして電源電圧の設定が要るかったら、回路に望んだ働きをして貰いたいからでね。
ほんじゃパッシブなら勝手に働きが変化しても平気かったら、なるべくなら想定通りであって欲しいが電源不要の方を優先させたと看做しとくれ。
これ今じゃ超低電圧でちゃんと動く半導体があるからピンと来ないだろうが、真空管しか無かった時代だと一大案件だったのよ。
球にもレアなのの中には「電池駆動管」ってのがあったけど、性能のショボさもだがそこ迄しても10V位は無いとどうにもならなかった。
何だそれなら角型9V電池2個とかにすりゃ行けるやんって、いえいえ電流をもっと欲しがるからそれじゃあ数分も持てば御の字と全く非実用的になっちゃうんすよ。
ならばと外部から電源だけ楽器へ逆に送り込んだとして、耐振動性僅少にして発熱・体積等はジャンジャンだから結局厳しさは幾らも変わらない。
だから据置き型のHammond Organ等では球内蔵が当り前でも、Guitar・Bassじゃ背負えなくなるか火傷し易い!?のになるかでそりゃ駄目だわね。
つまり元は仕方無くと見方次第じゃ実に後ろ向きだった訳だが、「状態が変化する」ってのが電気的には困り者でも人間の表現アイテムとしては案外有用だったんだ。
人間って気分からの影響が時として甚大で、一世一代の大失恋でもするとオリンピックメダリストが幼稚園児に抜かれる程遅くなるなんてのも皆無じゃないっしょ。(そこ迄は行かないか💦)
それを楽器を通して実音化するのに「機械部分の無い生楽器」ならダイレクトに表れるかもだが、僅かでもメカ部分があればそこは何時も通りにしか動いてくんない。
電子楽器に比べりゃマシな電気楽器でも、歌声なんかよりゃ遥かに機械化されててその分「何時も通り」に勝手になっちまう。
フラれたのがバレたくない時ゃそれも助かるが、それだけだと表現巾では必ず負けちゃう。
その程度の電気楽器が既に次世代の電子楽器が普及し切ってる中、未だ生き残れてるのは本件があったからとしか俺には考えられないんだ。
俺言い「望まぬ曖昧」って元は想定外なだけにその制御は一寸面倒だけど、オーディオ等「普通の音響機器」とか他のでは得られない変化でもある。
その内ボリウムの位置で音色が変るのなんかは俺にはあまり有難くないが、上手に利用すれば音量変化を音質の変化でアシストする事だって出来て大いに利用してる人も居るがな。
<つづく>
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