音楽備忘録1020 中古楽器 体験的実情編⓭
並行連載中の別項にも述べた如く保存や消耗程度にも依るが、やはり電子-電気-生楽器の順に平均寿命は短い様だ。
原理的には可動部の少ない方がホントは長持ちさせられるのに、色々事情があるとは言え現状は口惜しい。
尤も21世紀に入って前世紀よりゃ電子楽器の進歩は鈍化してる様なので、水面下では既に変化が始まってるのかも知れない。
それと↑の順位傾向があるとは言え、物次第で修理に困窮する場合もあるのは注意点だ。
滅多にそんな事ぁ無いだろうが例えばOvationのプラ製のボディ裏が割れたりしたのは、普通の方法では直せない。
樹脂でも小さいのとか単純な形状のだったら手間等が大変でも、いざとなれば削り出しとかで作ったり出来るが。
コレ金属部品でも近似で、最もハードルの低そうなのがエレキBassのブラス(真鍮)ナットとかだろう。
Bassと言ったのは溝の数がGuitarより少ないのもあるが、溝の巾が広く非専用のヤスリでもどうにか掘れるから。
Guitarの場合弦の細さで臨時で乗ってるだけ様な極浅で良いなら未だしも、一般的な状態をこしらえるには専用若しくは少し特殊な極薄のヤスリが要る。
但し楽器の型がスタンダードなのでナット巾が定番サイズピッタリだったら、予め溝堀加工済みのも売られてるからそれと交換するって道はある。
尤も売られてるのでナットが割れたままなんてのは非ジャンク扱いでは無い筈で、それよりフレット摩耗の方を気にするべきなんじゃないかな。
この件のポイントは若番フレットの「弦直下」の状態で、そこそこ掘れてても弦の影になって見え難い処。
ナットから近いと弦の振幅はとても小さくなるので、自ずと削れる領域も限定される。
5フレット以上になって来っと全然チョーキングとかをして無くても、少しは影にならない部分迄削れてくんだけどね。
今時はWeb画像を頼りに選ぶのが主流なんで、売り主にもこっちにも全く悪意や杜撰さが無くても見落とし易くなったかな。
非専門家の見立てだとその段階で隠れてて気付けないってのもどんな善人だってあり得るし、なるべく鮮明な画像を提示しようとしたらご丁寧に各部の真正面から撮ったりしそう。
ってのも体にブラ下げられる弦楽器って全長がせいぜい1m位だから、写真としては接写の方に入るんじゃないかな。
確かに今だとスマホの自撮りなんてもっと近いけど、狡猾な人なんてわざと輪郭がひしゃげるのを魔利用したりしてんじゃん。
それが楽器の売り物画像としては実際どんなシルエットかが分かり易い方が望ましく、この面では極力明るくして正面からってのは正解だわね。
因みにデジカメ(スマホその他の内蔵のほぼ全て含む)では普通自動調整で撮るのがデフォだから気付け難いが、暗いと画素数が減って粗くなるだけじゃ無く被写界深度だって浅くなんねん。
わ過去述なんで理屈はここではスルーするとして、リアルで現物を眺める時に偶然でも斜めからになるってのが無い。
リアルでも触れられる高額品の扱いには最新の注意は要求されるが、美術館で厳密に警備された絵画を極限られた場所からしか眺められない様な事はまず無いよね。
しかも一寸追及しちゃえば照明光の当り具合・光源の角度や方向等々で、影の濃さとかが随分違う印象になるっしょ。
っと言ってもキリも無いし状況次第じゃリアル接触困難or不可もあり得るからやたら拘っても仕方無いが、その代りもしかしたら見た印象より逝っちゃってるかもって覚悟っつうかマージンは取っといた方が良いと思う。
あと個体差の大きいのだと通用しないが、共通性の高い別の現物を別件で見といてそこから推察したりするのは悪くないよ。
例えば○○ブランドで使われてる塗料はモデル不問で共通とかだったら、□□色ってのは大体こんな感じなんだぁって。
このテーマからはかなり遠いし個人的なヲタネタでスマンが、一例として昔の京急電車のフロントガラスでそんなのがあったなぁ。
普通に撮られたのだと窓枠や縁が無いからか、車体と殆ど同一面でガラスが嵌め込まれてる様に見えた。
のが現物や写真でも特定角度からのクローズアップだと、全く予想と相容れない位かなり窓自体は凹んでるし隙間を埋めてるゴムの分厚い事ったら。
事後分析としてはゴムの反射が激少だから分かんなかったんだろうが、毎日乗ってた人とたまにの人ではかなり印象に差があったんじゃないかな。
<つづく>
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