音楽備忘録969 スピーカのサイズ➊
昭和の終り頃よりどんどん進むスピーカの小型化、狭隘空間への対応や設置可能場所の増加には大変な貢献をしてくれている。
だが基本原理その他に根本的な進化は見られなく、聴こえりゃOKなら助かってるが一寸条件が付いて来るとそんなに昔からは進歩してないんす。
大した音量も出さないのに見掛けだけ立派ってのは確かに邪魔な感じがするもんだが、現行の汎用小型はその殆どがAmp側等の工夫で何とかなってるだけなんだ。
その方法で注意すべきは小型スピーカの再生特性に統一規格の無い処で、Ampだけ先に逝かれた際音質(周波数特性)のマッチする代替品の発見がほぼ不可能な処にある。
これが業務用のだと専用EQが併売されてて、それ等がポピュラーなのだったら販売終了後でも入手可能率が高いんだけどさ。
ミニコンポみたいにセット販売オンリ―だったヤツだと、完全に元通りにするには普通はどんなに大変でもセットになってたAmpを修理するしか無いんどす。
なしてそないなるかったら、各々の小型スピーカの弱点(主に低域)にAmp出力を特化させてっからなんだ。
一口に汎用小型と言っても実質的な用途はかなり多岐に渡ってて、ブランドやモデル毎に最優先させたい箇所が異なるからなのよ。
録音現場で卓上(卓は卓でもMixer卓)設置のなら指向性は狭くても良いが、喫茶店の天吊りBGM用等ではなるべく広い方が良いとか。
本来は専用タイプのの方が有利ではあるが、模様替えする度にスピーカも刷新って訳に行かなかったりも。
そんなこんなで最大音圧・音質・指向性等、何を優先させるかで弱点の詳細はかなり様々とさせざるを得ないんだ。
因みに真のリニア再生には最低でも全可聴帯域の再生周波数特性20〜20kHzが要るが、ローエンド側が最新技術を以てしても大変厳しいのだ。
「入ってたら聴こえる」だけで良きゃ38cm(15inch)ウーハでも辛うじて何とかなるが、「一切減らさず変質させずに」ってぇと近年では希少化しつつある46cm(18inch)でさえ一苦労。
現実的に庶民が日常的に体験出来るとしたら高性能ヘッドホンのほぼ一択で、結果的にスピーカでは通常は妥協して40Hz位迄まあまあ出せればってなってるね。
だがそれだって理論に大きく逆らわないサイズのでならの話しで、20cm(8inch)未満のウーハでは他の性能をどんなに犠牲にしてもスピーカ側だけでの対処は不可能なのだ。
とは言え車の室内等で兎に角聴こえたを実現するには有難く、一見批判的そうな俺だって使ってんだけどね。
只現代主流の手法はかなり非効率で極端な使い方をしてる、ってのだけはもっと皆に周知して貰いたいんだ。
概過去述だが宅での一例では40Hzを13dBもブーストさせてんで、全体の音量が1Wの時40Hz部分は20Wもくべてやらなきゃなんなくなってんだ。
更に言えば規定より大きな信号を入れればAmpは歪むんで、実際は「スピーカで削れてない帯域」をやたらと下げて入れてると言った方が良いのかな。
こんなアブノーマルな使われ方になれば、どんな高性能なAmpだって本来の性能なんて全く発揮出来てないのよ。
Amp:旦那・スピーカ:奥さんとすれば専業主婦なのに家の事は一切やらず、井戸端会議と浪費にだけ精を出してる奥さんを間違って貰っちゃったみたいな!?。
さてそれって一体誰ん家の事やら…、冷や汗・大汗・脂汗…。
<つづく>
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