音楽備忘録982 中古楽器 整備の苦悩編➌
さてあれから情報収集等も粛々と進み、全体に手が付けられる状況が目前となって来た。
何かをするには幾ら些細なのでも0秒ってのは無いが、今日最初は時間経過をケチらない方が良いヤツから。
これは何たって電気的なのより物理的なのに多く、現在施術中なのがネック反りの調整だ。
今回の預かりエレキ群はどれも10年以上メンテレス状態だったんで、そんなに経ってりゃそれなりに狂い等が生じてても何の不思議も無い。
それが単純思考では古いの程調整箇所や量が多いと予測してたっけ、いざ取り掛かってみたらそうでも無かったんよ。
こっちとしちゃ少しでも新しくて知名度のあるヤツ程高値が付けられるから、そんなのから要領良く作業を済ませて空間拡張と資金化するつもりだったんだけどさ。
ってのも交換部品の多いのを赤貧野郎が手掛けるにゃ、売れる前に払わなきゃなんない部品代すら苦しいじゃん。
どれも10年以上落ちだから新たらしいなんて言うのも変だろうが、今でも大きな変更は無く売られ続けてるMoon JJ-5系統のBassのネック調整に取り掛かったん。
それがいざちゃんと見てみるとかなり順反りしちゃってて、1回じゃ足りるだけトラスロッドを締め切れなかったんだ。
コイツ物が高級なんで材や加工に問題がある筈も無いし、PC師匠たる親友ってそうなる前は楽器屋だったから扱いに瑕疵があったとは到底考えられないのに。
そこで思考を巡らして思い当たったのが、楽器が安定期に入る前に無準備冬眠を余儀無くされたのではってのだ。
楽器の木材って時間経過だけで性質が定まるもんじゃなく、一定以上の通算時間鳴らさないと落ち着いてくれんのよ。
家具等の様に振動を受けない方が受けるのより長時間のと違って、ずっと弾き続けてたら休ませるよりすぐに駄目になったじゃ困るやんか。
最近じゃ中心は外見だが色んなエージング技術も上がって来てるから、売る前にやっといてくれりゃ…がそうは行かんのどす。
奏者が違えば(バーチャル奏者も含む)「加わる刺激」は必ず僅かでも違うし、同一奏者ですら肉体や趣味の変化から時期が違えば又ってね。
或はペットの躾が終って無かったでも良いがずっと叱られない(楽器の場合修正)で居たもんだから、一定方向への偏りが酷くなってたって寸法なのね。
で今は2回目の調整が済んだ段階で高音弦側は及第に達したが、低音弦側がまだチト足りていない。
これ正規業者さんだとそれ用のアイロン持っててもっと手早くってのもあるが、なるべくなら本当は「誘導するだけ」に留めといた方が良いんよ。
いや持って無いからの言い訳臭ふんぷんだが、後で狂い難くするには例え相手が加工された木でも「習慣付け」ってのが大事なんでね。
ほいで当該器は他にトーンポット2つが恐らく要交換なんだが、万一反り修正の結果が芳しく無かったら交換する部品代が問題化しそうで。
当初は比較的1本づつ順番に集中して手掛けようと考えてたんだけど、見事に覆されちゃいましてん。
わそれとして反り自体の程度の他に1回目の後になって捻れが明確化したんで、杜撰式怪しげ秘技!?も駆使して2回目の修正をして結果を待ってる処なのだ。
<つづく>
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