音楽備忘録975 RockのスタンダードⅡ㉘
今日のお題はエレキBassのミュートとするが、その前に弦楽器全体の状況に触れとこう。
撥弦属でのミュートの有無にViolin等の擦弦属で音色的に対応するとしたら、弓で擦る(bowing)のと指ではじく(Pizzicato)に相当してるかな。
どちらも典型的なの2つだけで比べると似た様なもんだが、「その間の」が欲しくなると撥弦属のじゃないと不可能って差がある。
のでこの点はなるべく有効活用したい処だが、歪ませたGuitarと比べるとBassでは音色の変化量は多くない。(特にFlat Wound弦のエレキだと)
加えて普通のハンドミュートを使うにはピック弾きで、尚且つ弦長の都合から所謂「後ろの方」でしか弾けなくなってまう。
つまり奏法の都合から音色の制限が普段より増えるんで、Crescendo表現等以外では随時変化させたりするのは少ない様だ。
因みに私的には後ろ寄り弾きのが俺にはデフォ音色じゃないんで、特に要望が来なかったらハンドミュートは使えなくなっている。
只たまたまずっとGuitarと並行して演って来てるんで、急遽やれと言われても困らないって感じだ。
この様に弱点も少なくないんで何時でも何処でも誰でもが使えはしないが、音色的にマイルドさの他に「基音の太さ」では特筆すべき処がある。
依って「Rock Bassist」を標榜するなら出来ないと頂けなく、割が悪くても先にマスターしとくのがお勧めですがね。
しかしそれ以上に意義のあるのは音の長さ若しくは減衰時間の適正化で、生よりゃエレキ・GuitarよりゃBassが最も余韻が長いのに起因してるかも知れない。
Bassでも皆無とは言い切れんがCarlos Santanaみたく、主目的が余韻の延長で深めに歪ませてるのはこっちには幾らも無いでしょ。
余韻延長はLarry Carltonみたいにコンプの方がメインなのも少なかないが、何れにしてもその逆のBassで短縮したくなった際の手段の方が各段に少ないのは確かだ。
ってのも「ボー」の短いのだったら未だしも「ボンー」の短いので、それをRound Wound弦でストンプ等でってのが困難だ。
音色(周波数特性)も同時に変えられるコンプでも持って来りゃ「ンー」には一応出来そうだが、Decay以降の音量の落込みが過剰になったりし易いんじゃないかな。
Round弦の普段は有難い豊富な倍音も、それを全部CutするとFlat弦のより全体の音量は一気にガクッと下がるからねえ。
歪ませない分性質が生楽器寄りになるのとこんな現象とで、エレキBassのミュートは可変させられても随時にはしない方が多くなってんだろうな。
あと私的に気になったのが楽器の設計でアジャスタブルミュート付きが多かった時期で、その頃ってまだFlat Woundの方が多数派だった処。
聴感上の余韻長さはRoundより短めなのにそうしてあったのって、ウッドBassから移籍する人が少なくなかったからなのかな?。
それとGuitarでは搭載ミュート装置はOn/Offだけのもかなりあったが、Bassのでは殆どが手締めネジ調整式になってたね。
それって音色より音の長さの適化には向いていて、今では気付く人も稀だろうが結構そう云うニーズが強かったのかも知れない。
今やどれだけ使えるかは微妙ではあるが「長さを変えようと思ったら変えられる」のって、歪ませるだの籠らせる等と負けない位大きな変化を得られるのは知ってて損無しかと。
<つづく>
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