音楽備忘録946 RockのスタンダードⅡ㉑
今回のお題はRock人の最期と題してお送りするが、これにあたり昨今のゲームやアニメでの「安易な死」に苦言を呈させて頂こう。
煙ったいの敢えて承知で物申すのは、昔のとはリアリティが格段に違うってのもあるからなんだ。
俺等世代のTVドラマではってか子供番組ですら、主役が死んだからハイお終いってのが多かった。
その面だけで検討されると齢取って死の恐怖が増しただけとか思われそうだが、今より昔は死が身近だったんよ。
もっと前の世代と比べりゃ、特に戦争体験者よりゃ遥かにマシだったろうけどさ。
例えば今だって癌になったら良くて半々って感じだろうが、その頃は唯途方に暮れるか必死に終活に走るかってのが一般庶民感覚だったんだ。
決死の覚悟でってのも威勢の良さだけが目立つが、死ぬ気で頑張れ共々俺自身も比較的最近迄その真意を一寸誤認してた気がする。
いや俺以外にも戦場であわやの思いでもしてないと似た様な人が居そうだが、下手したら死ぬのを恐れるなってよりゃ「何時突然死ぬか分からない」から生きてる今の内に目一杯やっておけって方が本当だったんじゃって。
っとこのまま続けるのは戦争体験者の方が相応しいんで、こっちの領分での例の方へ移動しよう。
Rock界では近年「27クラブ」なんて悪しき伝統が流行ってる様だが、内容を誤解し易いのでワシャ好かん。
芸能人若しくは芸術家って古来から不安定で、一般より感受性の敏感な人も多かったから極端に走るのも多かった。
そんな中昭和期の自害については日本と欧米では少し違いがあり、こっちのは特攻隊精神(錯誤教育の弊害や武士道誤認も)の名残と思って貰って良い。
して「27クラブ」の発端となったJim HendrixやBrian Jonesのは、自愛が不足してたにしてもれっきとした事故でしか無いんだ。
実は↑名称を一寸度忘れ(いよいよ危ねえか?)し掛ったんでググったんだが、そこで気になったのがJazzマンの早世でね。
俺知りではBlues等黒人系の昔のは貧困が主で、最も勿体無い死に方したのが多かったのはJazz屋の方なんだ。
それが少なくとも近年本邦じゃあまり浸透して無いのは、どうやら当時のジャンルイメージの様でねえ。
全盛期はリッチ感とゴージャス感が売りだっただけに、みすぼらしい最期の情報は封印気味にされてたんだろうな。
俺自身「ホントはそんな残念なのだったんだ」を知ったのは師匠からの口伝で、師匠の情報のネタ元は内部関係者だった。
27クラブの会員!?は確かに薬や深酒等で無茶な暮らしぶりになってたが、本人達の大多数は「緩やかな自殺」すら標榜なんかしてなかったんだ。
要は正確な情報や知識が足りなかったが為に、勇敢なのが裏目に出たって感じでね。
その根拠と迄言い切るには物足りないけど、仕事量(作品数)にある程度心理状態が反映してたと考えられる。
限定的にならヤケクソでもヤサグレ切ってても少しは出せるが、色んなのをジャンジャンとなると後ろ向きなだけでは不可能だ。
Brian Jonesの場合演奏不可状態を一向に改めなかったから解雇になったが、弾ける内は最後迄クリエイティブさに陰りは見られなかった。
クビ以降に1つだけ出したソロアルバムは評価も売れ行きも当時はサッパリだったが、既存の他人の音源の再編集(再構築)って今のクラブDJの元祖だったんだしね。
だからもっと生きられるのに死んだのではなく、あんなに頑張ってたのに残念だの象徴なのよホントはさ。
それからすっとこの面でのRockのスタンダードは派手に散りゃ短命でも良いんじゃ無く、行ける処迄「しぶとく」ってのの方なんだ。
<つづく>
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