音楽備忘録939 RockのスタンダードⅡ⓳
連続補遺入りは流石に申し訳ないが、口ので最も有名で大事なのを漏らしてたんでそれだけは書かせといとくれ。
かのMichael Jacksonの「声の出る息継ぎ」、出すなと言われりゃミュートも可能だったのか分からんが。
例に依って怪しい難癖付け紛いにゃなるが、あれって仮に技術的には習得出来ててもそう云う歌調になってないと少なくとも頻発は無理なんずら。
私的には登場時のインパクトの関係でソロ初期のさだまさしが非対応の典型で、伴奏すら殆ど不要になりそうな程延々ブツブツそれでいてかなり早口でだったかんね。
無理に捩じ込んだ処で単発になっちゃうから、本家のみたいな口パーカッション効果は全く得られませんもの。
これはドゥウワップに代表される黒人系コーラスにも同傾向があって、歌詞が膨大過ぎたらあんなのは生まれなかったやも。
と云った処で本題のエレキGuitarのギミック奏法の方へ漸く参るが、技自体もだがそれ以上に組合させるEffectorだとかニュアンスの差が物凄い。
これに際し俺の語呂の貧しさから技術的専門用語が浮かばんので、スマンがサンプルを先に提示するからそれで「ああアレの事だったのか」と思っとくれやす。
本家!?海外のにも多数あるが探し出し易さも兼ね、Johnny,Louis & CharのFinger(アルバム:Tricycle ’80)のIntroを聴いてみとくれやす。
俺の「口解釈」では一応「シキチャカトー」となってるが、私基準でスマンがこの類のは「チャカトー系」として扱ってんだ。
技術的側面からは空ピッキングとグリッサンドの組合せで構成されてるが、↑例みたいに空ピッキングの前に何か付くのもある。
これが左手(右利きの場合)の移動速度や何処から何処迄、空ピッキング時の左手の位置・ミュートの強弱…と実に様々な要素の僅かの差で全然別のニュアンスになっちまう。
更に使用楽器のネックとボディの接合位置等の影響も受け易いし、演る人の感性がモロに露呈し易いのだ。
たまたま物真似の才能も持ってりゃ意識すりゃ真似も不可能じゃ無いが、本家ですらその日の気分の影響等で必ずしも一定でも無かったりする。
んでこの俺言い「チャカトー系」ってなエレキGuitarでそこそこのGainになってる時が最も効果的なんで、他の楽器やこんなのを挟む余地の無いのでは登場させ難い。
音程感を殺した俺言い「ゥワァオ」みたいなのはHammond Organの方が勝ってると感じてるが、コードカッティングに混入する空ピッキングと併せて一面でGuitar系の特権なのは確かなんじゃないかな。
アコギでだってジャカジャカとかザクザクみたいな濁ってて湿っぽいのだったら可能だが、乾いた軽い感じので大き目に鳴らせるのはGainを適度に上げたエレキの方だ。
他にも所謂ピックスクラッチ(巻弦の凹凸部を擦って音を出す)とか色々あるし、スクラッチでもVenturesのブリッジ近くで高音程+Ampの深目Reverbで演るのとか。
俺のイメージでは地下道に滴る雫って感じだが、Pete Townshendみたいにフレットに迄ピックを当てて「カラララララ」ってのを混ぜるのなんかもある。
これ等ギミック奏法には一応の方法論こそあれ、他の奏法と比べると確固たるメソッドの存在し得ないのが特異な部分なのだ。
結果必然的に奏者の地が出易く、但しその個性次第でやってもカッコ良くなるのとならないのが出て来易い。
だがそれで割と頻繁に使うのと滅多にやらないのが人次第で千差万別となり、個性や自然発生的スタイルの構築に強大な影響力があるんですわ。
<つづく>
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