音楽備忘録944 音量の正しい解釈⑧
音色と音量の関係で、今回は物理的にも違いがあるのについて言及しとこう。
誰でも只音量と言われたら普通は全体の平均最大値で考えるもんで、際どい爆音とかでなかったらそれで充分用が足りるんだけどね。
では際どくなって来るとメータの振れは同じでも、こっちは平気あっちはウルサ過ぎて勘弁なんてなるのは何故か。
勿論好みの影響もあるが概述の如く、他にも大きなファクターがまだあるんす。
それが周波数帯域別の最大音量で、例えば低域より中高域の方が限界値が健常人だったら必ず低いのよ。
原因は是又概述の如く人耳の感度が音域に依って違ってるからなんだが、ならば例えばBassなら必ずGuitarの倍位迄はへっちゃらかったらそうでもない。
確かに大抵は音程はオクターヴ低くなってっから、基音(音程を司ってるそのサウンドの中では最も低い周波数)オンリーだったらそうなんだけどね。
音色の設定とか奏法次第で、恐ろしく倍音や付加音の方が大きくなる事だってある。
ここでの付加音ってなスラップのプル等、普通に弦を振動させたのとは少し種類の違うのを仮称したものだ。
強烈なプルだってコンプでも掛ってりゃ制限されるが、Guitarで一定以上歪ませてるのと比べると遥かにピークが突出している。
因みに一定以上歪ませたGuitarの方がキンキン感を覚え易いのは、倍音の最小音量が最大時と殆ど変わらない位最初から大きいからなんだ。
Bassの方はプルしなかったら↑の仮称付加音は無しになるし、一寸しくじったらそれだけで途端に小さくなる。
加えて紛らわしさ全開にしてくれるのが2つ、1つは人耳の音量に依る周波数特性の変化でもう1つは音場環境だ。
自宅で単独小音量の時は丁度良いと感じてたのをそのまま喧しい会場で使ったりすると、印象が異なるばかりか「あれこんなに大袈裟にしてたっけ」とか「何か思ったより埋もれるなぁ」とかってのだ。
大袈裟の原因は主に低高域過多・明瞭度不足の方は固有倍音の不足なのが多いが、前者が人耳周波数特性変動がもたらしたもの。
後者は他の音からの影響対策不足のせいで、大抵はアンサンブル内で鳴ってるのの印象を単独のへそのまま持ち込んじまってたりするからだ。
最終的に確実なのは本番からのフィードバックで、録っといたりお客さんに訊いて回ったりする処から行くしか無い。
かと言って全く準備せず、本番でお客さんの顔色を伺い乍ら事後調整って訳にも行かないからどうしませう。
に対しては例えばGuitarならIntroがGuitarだけの曲とかで、周り全部が入った後はどんな風に違って聴こえてたか等がヒントになる。
実際は求めてる音色のでそんなのが無かったりとか不完全ではあるが、大凡の傾向ってのを把握しない事にはその先へは進めない。
直近私体験では当初想定より遥かにエレキBassの高域過多は害が多い様で、オーディオ的Hi-Fi感の増加に依る今っぽさとしてはもう少し盛ってみたい処なんだけどね。
でも盛って何とか行けるのはせいぜい2~4kHz位迄で、それより上はオーソドックスなアンサンブル内では邪魔にされるんだ。
必ずしも完全にCutはしなくても構わんが、少しでも「増えてる」と駄目みたいでね。
基音との関係性が弱過ぎる物はいざアンサンブルに入ると、まさか「それの倍音」だったとはってなりがちだしね。
<つづく>
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