音楽備忘録902 RockのスタンダードⅡ➓
今回は「正しい聴き方」だなんて身の程知らずなのを吠えちゃうが、音楽って実体のあるのみたいに寸法比較とかが出来ないからなのよ。
基本はそのアンサンブル内での比較に頼っらざるを得ないんで、実際と印象が真逆に近くなっちまう事すら珍しくないん。
ほんでその影響の最も大きそうなのがDrumを筆頭とする生楽器ので、今日はその一端をJeff Porcaroの真実なんて仮題でお送りしてみよう。
スポーツ界ではメガネのキャッチャーとかが誤解され易いが、それでも結果を数字で残せるから誤認識を改めて貰うチャンスは残されている。
Drummerで非力誤認の代表格ったら本邦じゃRingo Starrがダントツだが、彼の場合はほぼ常に周囲が猛者なので非生で比べるととても分り難い。
それからすりゃJeff Porcaroの場合には隠れたサンプルがあり、日本の決してパワフルでは無い連中と録った作品があるのはこの件では貴重かも知れない。
↑でメガネキャッチャー(1例としてのび太君こと古田敦也氏、失礼)としたのもPorcaroもそっち寄りだからで、主催の一部兄弟Band Totoの中では年寄りな方だったってのもある。
地域・時代性・本人の趣味の強力コラボでか後加工は僅少、セットのセッティングや叩き方も取り立ててローが強調されるとかパワフルに聴こえる様な真似も嫌い。
バチも並の太さで標準より短め軽め、Ian Paiceみたいな怒涛の超高速Single Strokeも演んない。
とどめはSnareのOpen Rim Shot(Backbeat時に皮をぶつと同時にリムにもバチを当てる)が少ないと来りゃ、少なくとも門外漢にはパワーが認知されないのは半ば当然で仕方無かろう。
しかし本家のメンバーは洗練されてるしスマートぶってるが間違い無く強者が多く、そんな中でRim掛けなくて地味目な音色にしてるにも拘らず埋もれた試しが無いのに要注意だ。
と言ってもかなり洋楽を聴き込んでないと分り難そうなんで、昔でも日本人でPops(その当時は主にニューミュージックなんて無粋な呼び名)の女性とのだったらどうよって訳だ。
ってな事って本日の生贄は尾崎亜美姐の2曲で、Foggy Nightと純情ってのだ。
前者は時流を意識してか叩いてるのは別人(米国人)だがかなり模倣していて、後者のはPorcaro本人が叩いてる。
曲調としては前者は当時のPopsとしてはギリギリ可能なHard Rock、後者は元気一杯で明るいが思いっ切りキャッチ―。
トータルではどっちもちゃんと曲想通りの仕上がりで、だから前者だけを単独で聴いてると太鼓は非力とは無縁だ。
後者のだってパワー誇示要素は皆無だし、一聴凄く良いノリだが至って普通っぽい。
ノリは未だしもフレージングの秀逸さが本家ならではなんでつい惑わされるが、2曲続けて聴くとウププのプ。
俺流に言わせて貰うとパワーだけでも前者は請求額ピッタリなのが、後者のは釣りはいらねえ持ってけ泥棒ってな具合になんてたんだよ。
フレージングやノリにしても当初は単に偽物と本物の差だと思ってたが、どうも要求されたパワーに対する余裕の差の方が主因っぽい感じがするんだ。
良く言えば前者Drummerは一所懸命・後者は完全にエンジョイしてる風で、それでいて「太鼓の鳴り具合」に着聴するとどうにも後者の方がスカッと打ち抜けてんですよ。
Ringoの濡れタオルミュートのもそうなんだが、ああ云うのって実は余程パワーに余裕が無いとマトモにゃ使えん手法なんだ。
だが敢えてコッソリ地味目な録り方したりしてるもんだから、大勢が見事にまやか騙されちゃてんの。
当事者としては一寸した悪戯なんだろうが、陣営としては「真似され難い」のが好都合だったからかな?。
<つづく>
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