音楽備忘録919 RockのスタンダードⅡ⓮
純粋な演奏技術のサンプルとしては前2回の時期に限定する必要は無く…、っと書き出すと掌返しと早合点するなかれ。
ジャンルや求める効果が不問なら上記の通りだが、Rockらしさへ拘るならそれだけだと危険を孕んでるのだ。
今回はその例として主にDrum用として、TotoのRosannaに生贄になって貰おう。
表面的な聴感としては当時の最先端だし、奏者のJeff Porcaroもそれを狙ってあんな風にしていた。
が後の本人の教則ビデオでのネタばらしに依れば、’50~’60年代にあったのの新規組合せが骨組みだって。
この手法には私的には2つの特徴があると考えてるが、①元ネタはブームが去って暫く経ってからの②組合せ自体は新規でも「元のの匂いを極力払拭」するのに効果的だと思われた。
音楽界では引用でもパクリを毛嫌いするのと、バレなきゃ幾らでもなんて悪しき2極化がある様だがね。
既存の楽器で既存の奏で方をする限り、既存のと全く違う音を出すなんて事ぁ最幸運でも稀でんがな。
これとは反対に奏者が別人だと、どんなに真似ても完全に同じ音を出すのもほぼ不可能。
それ等からするとパクリは0%も100%もほぼ存在しないんで、その間の割合の中で上手に付き合って行くしかないのをご理解頂けるでせうか。
又別の例として俺には割と頻繁に起こるんだが、本人無意識・無自覚で思い付いたのが過去にあったのと全く同じなんてケースも…。
ひと頃はそれが気になってスタンダード曲を中心に色々耳を通したりもしたが、確かに知ってる程事故を防げはするが完全になんてとても無理でね。
この面について意図的に著作権に抵触しない改変をするってのは有効で、只それには「元の」をなるべく良く知って無いと出来ないんだ。
売れた有名なのだけをなぞって「似てるの無かった良しOK」なんてしちまうと、もしかしたらアルバム中の埋もれてるのにそっくりさんがあるかも知れないじゃん。
しかも↑の「埋もれ」の基準って大抵は当時のと少しは違ってるだろうから、ほんじゃ一々全部聴いとくしか無いったってそりゃ無茶でさあどうするとね。
どう頑張ったって完璧は困難だが本家の嗜好やエッセンス程度は理解出来る処迄聴けてれば、ロクに知らんでいるのとは大違いにはなるですよ。
わこの辺で例示のの内容へ進めてくと、上記①については「Bo Diddleyの刻み」だそうだ。
元祖の公開からその時点で25年とリバイバルが来そうな経年ではあったが、たまたままだだったのもあっての登用か。
②についてはそれに組合わせた後の2つのの年代がミソで、Bernard Purdie(’60年代の)とBONZO(’70年代の)だがどれもが違う時期のとしたのは秀逸と言わざるを得ない。
これで着目すべきがPorcaro自身の社会的全盛期は’80年代って世代の人なのに、’50年代のが簡単に思い出せる様な状態になってたって処。
彼の作品に明確な’50年代風味のは皆無だったのからすれば、そんな古いの知らなくたって特に困ったりゃしなかっただろうに。
しかし実際には↑みたいな浅はかな連中を凌駕する結果となっていて、つまりは素人考えよりかなり深度が深くないと中々あんな風には料理出来ないって事なんすよ。
なので一寸Porcaroっぽくなりたいと思ったとして、聴く分には似ても似つかない’50年代の迄触手を伸ばさないと厳しそうって寸法なんざんす。
現代本邦では失念されがちだけど元々一般論として、真の新しさを求めるにはホントに過去に無かった確証が要るってだけの事なんだけどさ。
<つづく>
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