音楽備忘録923 RockのスタンダードⅡ⓯
今回は歌物でのGuitarのフレージングに言及するが、今となってはスタンダードの直接的導入はもう厳しくなってしまった。
けどだからって本邦劣化J-POPみたいに、バカの一つ覚えでパワーコードとオクターヴばかりに依存するのも芸が無さ過ぎ。
技術レベルの事情も多少はあるにせよ歌バックでも平気なフレーズって、鍵盤等と比べると弦6本ってな元来バリエーション的には不利な口だ。
なので根源的にはどう頑張った処でタカが知れてるっちゃそうなんだが、だからこそ工夫の余地は大きいしそこから印象的なリフ等が生まれやすいのだ。
で誰の耳にも印象に残り易いのはリフとかだが、リフ迄行かないが只の伴奏とは違う様なのに実は最も多くヒントが含まれてんのよ。
って事っていきなり読者を試すみたいで済まないが、かなり違って聴こえるが基本的には実は同じ技に依ってるのを提示させて頂こう。
んで今回生贄になって貰うのはRolling StonesのBrown Sugarと、Jhonny,Louis&CharのYou’re Like a Doll Babyだ。
前者の王道Rockに比し後者は大部FunkyでHardな感じを受けるが、良くお聴きになると歪みの深さはおろかフロントPUで演ってる処迄かなり共通項が多い。
俺知りでこの3和音パターンの少なくとも普及者はKieth Richardsだったと認識してるが、和音だがルートに縛られなくなる分応用範囲が格段に広がるのがコイツの特徴ね。
それに依ってハーモニーの自由度ばかりか簡単なメロディも奏でられる様になるのがキモで、リフは勿論だが私的には「裏メロ」としての活用に最大の魅力を感じている。
実際に本家で既に裏メロにも届かない位のも多用されてて、パワーコードだって同じ様に応用すればもっと色んな味を出せるんだけどね。
只何分普通多用されるタイプのは音域がルートに近いんで、上手くハモらせるにはそれなりの編曲スキルが入用になって来る。
なので私的にはルート呪縛からの開放を模索した際、パワーコードよりこっちの方が間口が広い印象があんねん。
因みに伴奏での「遊び要素」としては先にJohn LennonやBrian Jonesが演ってた、コードチェンジ等節目で開放弦等の違う音を一瞬挟むなんてのがあった。
又殆ど同時期に黒人系では押えたコードの一部の指だけ離してなんてのも出だしてて、和声理論的には実質は似た様な状況になっていた。
只前者は離した時の音が基本的には1つしか無いし、後者はコードフォームの都合で欲しい変化が得られない場合が多くなる。
し体力的・技術的に決して誰にでも楽では無いのが、3本だけで良いとなりゃ一気に緩和される処は見逃すべからずだ。
それと純粋な技としてはほぼ共通なのを使って、各自が全然違う味を出してた部分も今本邦にはとても良い薬になんるじゃないかな。
段々時間が経って時流に合わない部分が増えて来たんで、俺等が若い頃みたいに直接的な模倣をする意義は薄れてそう。
けど曲として表面的に聴くだけだってそれなりのご利益があるも、「使い方の工夫」のサンプルとしては寧ろ昔より今の方が必須アイテムな気がするんだ。
技の種類が増えた分それだけで選択肢も豊富になったとは言え、シンプルなアンサンブルの特に歌バックなんかじゃやたらな小細工は邪魔になりがちじゃん。
1種の怪我の功名みたいなもんなんだろうがフィジカル的に低いレベル・少ない技の時代のの方が、「非技術依存で何とかする」部分に関しては必然的に上手で居なきゃなんなかった訳っすよ。
<つづく>
« 音楽備忘録922 魔修理の最近⑧ | トップページ | 音楽備忘録924 魔修理の最近⑨ »
コメント