音楽備忘録879 RockのスタンダードⅡ➎
続いてRock Drumのスタンダードへ進めてくが、昔に比べると多様化した分選定に異論が出易くなってそうだ。
テクレベルは連綿と向上してってるがポピュラリティを考慮すると、実用度の高い新技は随分少なくなって来てると思うんだ。
なるべくシンプルじゃなきゃイカンとなると、今後活路を見いだせるのはより「何処をどう抜くか」みたいなのが鍵になりそう。
だがそれすらCharlie Watts氏やAC/DCのPhil Rudd氏等が古くからやってるし、近年のRingoみたいに個性の発揮はオカズ(Fill-In)限定ってのも俺にはつまらない。
これって根底にはどんな段階のを個性と考えるかにも依るもんで、ポピュラー系の殆どので頭(1拍目)のバスドラと裏(2,4拍目)のSnareは省けん方が多いわね。
そもそも違う楽器に聴こえた方が良い時だって少ないしで、誰かと被ったり似た部分があるのを全て排除しようって方が無理な相談だ。
しかし半分は私的乍ら俺忌み嫌いの「ドンパン節」がこうも横行するのは考えもので、かつてDiscoが流行った時って他がどれも以前より複雑化したのが殆どだったって背景があったのを忘れてんじゃねっと。
しかもDiscoの中で主流を占めたのはフル編成のゴージャスアンサンブルで、昨今みたいな「引き算主体」だった訳じゃ無いんだよね。
ポピュラー系でも売上げから録音予算が増大し、それ迄やりたくても出来なかったのが可能になったのもあるしさ。
それが後に電子楽器の発達で形だけにしても低予算・少人数でも可能化し、現在はこれも珍しく無くなったんでブームはスッカリ鎮火したって処かねぇ。
それだって録音ハードルの低下からシンプル系のでも、過去比だとオーバーダヴは倍増位にはなってる感じだ。
そんなら太鼓はシンプルなだけだって良いやんってのは早計で、割と一杯重ねてあるったって太鼓のオーバーダヴは随分めっきりされなくなってんだぜ。
Rock系だと小編成のではRingoが大々的にやりだして以降、特に米では最初からグループの編成がツインドラムなんてのに迄発展。
その後これはほぼ消滅したがDance系の台頭もあって、Rock系としてはパーカッションも入ってるのはかなり増えたって実感があるよ。
Bassにしてもどんどん高度・複雑化したのが一旦ルート弾きへ回帰したのだって、Synthe Bass等との併用が大いに関係してたんよ。
なのでこれ等からするとシンプル系でも音が増えたってもそれが殆ど上物だけなんだから、リズム隊を淡泊にし過ぎるのって考えが足りないとしか思えないんだ。
これを何時もの変態比喩へ持ってくと華奢なのに胸だけ豊かな少女ってなもんで、個人的には現在そんなのが好みではありまするが…。
けど誰が見てもセクシーってのにはそれじゃ不足で、引っ込むべき所・出るべき所全てがそうなってないと「相手を選ぶ」魅力になっちゃうよね。
それが具現化したのって例えば曲も歌も良いんだけど、リズム隊が予定調和的だから飽きるんだとかそんなのにわざわざしちゃうって事なんじゃないかな。
それと概略としはシンプルっても長く生き残ってるのって、量的には僅少でも他で見つからない何かも入ってるのが殆どなんだ。
寧ろそうなった経緯としては例えささやかでも、これさえ手に入りゃもう他は無くても良いやってなったのが多かったんじゃないかな。
Ringo以前のポピュラー系Drumを聴いてみるとこれが良く分かるんだが、基本は単調でも随分小技は雑多に入れられてたんだよね。
その結果Drummerとしては有名でも、Ringo等以前にRock系として高名なDrummerって居なかったぞ。
今だって他パートと比べると内容でなったスターが少な目なのは何時も気になってるが、どうも楽器の性質からそう云う発想がし辛い様ではあるんだけどさ。
<つづく>
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