音楽備忘録888 録音でのプロとアマの違い⑨
既に色々記した後でとは正に杜撰だが、プロとアマの最大差は手早さなのを思い出したので○×△□…。
世間的印象では「このアルバムには3年も掛りました」なんて方が印象深いが、単に弾く・録る・混ぜる等にそんなに時間を掛けたりゃ先ずしてねんだ。
って今一承服し兼ねるとしたら少なくとも必要とあらば、幾らの準備も無く何時でも手早く水準に達したのを提供出来るって言うべきかな。
以前にごく普通の生活をし乍ら全く普通じゃない音を継続的に出せるとも記したと思うんだけど、↑が会得出来てないと安定した活動なんて続けられないんだす。
その最大要因はやはり期限でして、ビジネスとして自分達以外の人のお世話にもなる以上は決め事はどうしたって必要なので御座居ます。
ベテランの大御所ともなりゃ傍目には全く自由に振舞える様に見えたりするが、会社の稼ぎ頭になると社員の給料を確実に捻り出さなきゃなんないす。
すると新作を出せないならその分Liveを演るとか、各種イベントその他へその分沢山参加するとかしなきゃなんないす。
そりゃ契約内容次第では「出来たら持ってくだけ」なんてのも皆無じゃ無いが、それが可能なのは他に充分な資金源なり別事業をやれてたらの話し。
それ以前に既に大御所になられてるなら兎も角歴だけ長くたって俺みたいな末端君では、仕事単価がひもじいんでそんな呑気にやるのは全くの無理ゲーでごわす。
或は歴が浅いとやはり実績の蓄積量に乏しいんで、発注側は万一駄目だった際のマージンを多目に確保しときたい。
これ等事情から理想はクウォリティの高さ一点なんだけど、現実的には期限尊守とか急に頼んでも待たされずにこなしてくれるって方が優先になってんだわ。
若い頃は「大きな間違いさえ無きゃどうでもいいからサッサと終わらせて」なんてのには、強烈な抵抗感と尊厳の侵害を覚えたもんだがね。
今 時を経て冷静に分析するとそんな言い草は不適切だが、1つ演るのに時間が掛かればその分演り直す時間が減ったり出来なくなったりするんだよね。
どんなにポテンシャルがあったって完成に漕ぎ付けられんと、その一端を世間に知って貰うのすら出来ない。
なので上手く行けばベストってより、下手してもベターが先に必要になっちゃうんだ。
だからってベターだけで満足しちゃったら伸びしろがあってもそれを刈っちゃうから不味いけど、プロになれるのと上手なプロになるのは一寸別って事なんすよ。
又人間が日常的にやってくとなると体調やバイオリズムに波があるのが普通なんで、言うなれば「氷山の一角だけで飯が食える」状態の構築が必要と。
この件で私的には注意すべきと思うのは、ミスっても平気なLive時と正規録音で差があり過ぎたら美味しくないって処かな。
俺知りでこれを正攻法で最も上手くやってのけたのがBeatlesで、性悪政府に騙され切って修正しまくる何処ぞの国の今とは正反対でごわす。
曲を聴かせるのに無問題だったら敢えて直せるのをそのままにしといた体で、仕事をよりやり易くする為に余計なハードルを上げない為の作戦だったとも言えるんじゃないかな。
一方で当時対極にあったのがThe Monkees、ファンのキッズ達にはバレない程度にアテ振り(但し楽器のみ)。
だが今の口パクラーとは別物で元はTV番組の役者としてだけの登用にも拘らず、半分は歌手等のタレント残り半分はミュージシャンとして既にプロデビュー済みの人達だった。
今みたいなバーチャル加工が不可な当時としてはそれだって立派な紛い物!?ではあったが、歌は丸々本物だし一寸だけ弾いて見せる位は朝飯前だった訳だ。
素人に対してはハイパー加工があるとどんな偽物でも構わんかもだが、業界内→舞台裏の時点では今だって「加工前」しか無いんだからやっぱりマージンが要るのはホントは変わって無い筈なんだけど…。
<つづく>
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