音楽備忘録841 Mic関係の色んな思い込み!?➍
前回の補遺を少し綴ってから、今日のお題Micの「実用上の丈夫さ」へ進めてこう。
そもそも電気関係のは何だって湿気は得意じゃ無いが、ダイナミックMic等のパッシブ機器には特有の弱点もあるでよ。
電気で稼働する機器ってほぼ例外無く、稼働させると例え僅かでも熱が発生するもんだ。
故に動作上問題無い程度の湿潤は、SW ONで出る熱がありゃ幾ばくかの自己乾燥能力があると看做せる。
だがパッシブタイプ(電源が無い)で機械的に発熱する箇所が無いのだと、外部から能動的に施さない限りその時点より乾くって事が先ず無いんすよ。
それがVocal用Micとかだと元から所謂「吹かれ対策」で風が入り難い様にしてあっから、外気が相当乾燥してても内部は中々乾かんのですわ。
コンデンサタイプよりダイナミックタイプの方が湿気に強いのは嘘じゃ無いが、こんな側面が時には顔を出す事もあるんだ。
だばとっとと今日のお題と参るが、キーワードを金網とフレームと致しまする。
丈夫なMicったら1に58(Shure SM58)2にクジラ(Sennheiser MD421)が鉄板だが、現場体験からすると異議ありなのだ。
機械的強度としては立派だが少々重いのが災いしてて、落下迄行かなくとも慣性モーメントは重い分大きい。
するとフレームレスの金網部分の変形等が起こり易く、クジラでは金網が構造的に2枚になってる分外れ易かったんだ。
現に従兄の店の遺産の修理ではこの部分が最多で、他分野のと比べると「重量に見合った強度」って観点が一寸足りなかったのかも知れない。
さて唐突に登場させたイラストだがデザイン(構造)の少しの違いで、実用強度に結構差のあるのを体験したケースのだ。
好みとしては左の方がスマートな気がして大好きなんだが、たまたま買えたのは残念乍ら多くが右の野暮ったい方のだった。
それが長年使ってみて他所にある上図左みたいなのと比べると、壊れ難さの点では右野暮った君のほうがかなり有利なのが判明したんだ。
金網部分だって左みたいになるヤツは網自体が相当丈夫なのになっちゃ居るが、骨(フレーム)有無の差は大方の予想よりかなり大きいみたいなんよ。
どんなに頑強なのでも網って普通は針金の集合体なんで、右野暮った君みたいに胴体の一部に穴がある様な構造のより掛った力の分散はし難い。
但し柔軟性には富んでるから「凹んだまま」にならない程度の外圧だったら有利なんだけど、「破断する直前」迄原形を維持出来るのは一体構造の方なんだ。
上図の太さだとコンデンサタイプだが、ダイナミックタイプでもDrum用のだと全体が短くなったり後部が細かったりしてるだけのが少なくない。
又ダイキャスト製のより唯のパイプのだと弱くはなるが、やはり一体なのか接合なのかの違いはそのまま残る。
58の金網球はネジ式で外せて交換可能だし、溶接部が無時なら裏から押し戻したりだって出来る。
けれど中のユニットに何処かが触れたりしちまうと、一応施されてる防振機能が無効化したり弱体化するんで性能劣化させてる場合がある。
クジラの方では金網は鉄か真鍮で筐体はアルミダイキャストと材質が異なるのもあって、結合に溶接不可な分どうしたって保持力が弱い。
これが直接の外部攻撃にも弱点だが本体重量がヘビー級なんで、運が悪いと自らの重さが仇になっちまう事もある。
58もクジラも金網単体ではかなり強固な物だけど、本体筐体と比べると結構な強度差がある。
そこへ持ってきて全体重量が中々となると、鍛え方を間違えたスポーツ選手が自分の筋力で体を壊しちまうのに近い現象が起きたりすんだ。
<つづく>
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