音楽備忘録856 Mic関係の色んな思い込み!?➑
今回は細か目のを2つ提示してくが、ファンタム電源の実供給電圧とPlugの煤汚れの巻。
前者は電源の回路方式にスイッチング式が増えたんで昔よりかなり安定したが、耐入力音圧性能を左右する場合もあるのは知っといた方がエエでっせ。
ファンタムって規格が制定された当時の事情から、他のに比べると電圧規定がかなり緩い。
それでも爆音を扱わんのなら影響はあるにしても大した事無く済み、本格的なRecordingでは付属専用電源ユニットを使う方がデフォだったんでね。
少なくとも登場期に活用されたのは機器数制約の厳しい環境等が中心で、非音楽系の放送関係とかでは重宝してたんだ。
それもあってか決してディスる気は毛頭ないが、使い方次第では恐るべきザル規格となるのをここで暴露しちまおう。
1.規定電圧+48Vは無負荷時の値
電源回路から音声信号が流入出して混線しては不味いんで、音声インピーダンスに対して充分な大きさの抵抗器がMic-ファンタム電源回路間に直列に挿入されている。
結果Micの消費電流次第で抵抗器での電圧降下(消費)も変化し、大飯喰のには半分以下に実供給電圧が下がっちまってるのもある。
近年のエコなエレクトレットコンデンサタイプではそんなに心配は要らなくなってはいるが、呼称は+48Vでも原理的に変動して当然の物なのだ。
2.ファンタム電源の電源回路容量次第で降下度合いに差がある
互換性その他色々な制約から上記の様な原始的な回路とせざるを得ないんで、電力容量の小さいの程降下し易くその度合いも大きくなってしまう。
こんな具合なんで例えば12Vあれば足りる時ならどうって事ぁ無いが、Micの耐入力音圧が際どい場合等だとモロにこのせいで歪んじゃったりもするんですわ。
つまり頻繁に起こりゃしなさそうだが同じMicでも、繋ぐ相手に依って性能に変動を来す可能性が常にあるんだす。
続いては過去にも多分触れてる「煤汚れ」案件だが、体験的にMic側のキャノンソケットの端子でだけこれが顕著な話し。
これはMicとケーブルを繋いだままにしとくとそのケーブルの開放側端子でも同様なんだが、要は電磁石の悪戯で吸い寄せちゃってんですよ。
その根源はMicって電気的には発電機の一種だからで、とても微弱ではあるが空気が動けば発電しちゃうんでね。
せやから袋や箱にしまっときゃその分マシにゃなるが、恐らく真空に出来る布団袋みたいなのにでもせん限り回避は困難だろう。
只のキャノンケーブルだってなるべく外気に触れん方が汚れんから、俺は近年保存時はPlugとJackを合体させとく様にしてたりする。
尤も掃除も勿論面倒だったが結束バンドをケチる方が発端で、8の字巻の後全体周囲を数周させて縛る代わりにカチッとねって典型的杜撰大王式ですが。
それは兎も角Micのって想像より遥かに短期間で見事な真っ黒黒介になるもんで、仮に見た目に大した変色が無くても無事とは思わん方がエエよ。
コレ例のローインピーダンスなのも大いに関係アリで、雑音に強い代わり僅かな抵抗値の増加(この場合実内容は汚損)も途端に影響が出るんでね。
仮にエレキでインピーダンスが150kΩだったら「15Ω分の汚れ」(変な表現💦)は0.0001%だが、ローインピで150Ωだと0.1%になる訳だかんね。
なので床に落しちゃった上記前者はクラッカー・後者は溢しちゃたジュースとでも思っとくのがお勧めで、Micのは更に先に溢してたコーヒーと混ざっちゃた位のもんなのよ。
だからってわざわざ汚すとか汚れそうにしといても仕方無いが、保とうとするよりゃ使用前に掃除する方が向いてんだ。
<つづく>
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