音楽備忘録845 Rockのスタンダード⓱
では漸くで曲の方へ進めてくが、取敢えずはピック弾きでRock以外でやられたら迷惑そうなのから行っとこう。
いきにり迷惑そうだなんて又々だが、他で出来ないのこそ象徴的だって観点なんだ。
1.Junior’s Farm-Wings(奏者:Paul McCartney 1974年)
辛うじて「普通に弾いた」範囲に収まる中で最もパワフル・ワイルドと思われるのでの選出で、彼が「手首弾き」主体なお陰で強さの割に弦のフレット打付けが僅少なのが特徴だ。
更に音色自体もアタック倍音を目立たせて無いので、純粋に弦振幅を最大にしたらどんな風になるかとして最も分かり易いと思われる。
2.Silly Love Songs-Wings(奏者:Paul McCartney 1976年)
フレージングが嚆矢なのからの選出だが、加えてピックストップ(ミュート)と空ピックの両方も一度に堪能出来る。
基本的にDrum・Bass・Vocalだけで曲として成立しちゃってる上、Drumは在り来りな刻み・生ピはコードを添えてるだけだかんね。
音楽的意味合いからはBassがRockで何処迄主役になれるかってな処で、これ以前ではこの手のは大抵はGuitarリフで演られてただろう。
只Guitarだと歌の音域が近かったり被ったりもするんで、両方をここ迄尊重しつつ共存させるのに難しい面がある。
3.Highway Star-Deep Purple(奏者:Roger Glover 1971年)
表向きの選出理由は弦をフレットに頻繁に当てても音が一切細って無いのの例としてだが、私的には基本ラインがシンプルな中でどれ位動いたり色んな要素を盛込めるかのバイブルとなっている。
俺言い「弦のフレットぶち音」に関してはLiveの方が分かり易く、しかしみみっちい聴き方をすると普通のBassの音に「変な摩擦音」が付いてる様にも聴こえ兼ねない。
このフレットぶち…ってのが少々厄介な代物で単体時は雑音に近く、しかしアンサンブルに収まるとあった方が効果的な場合も少なくないんだなぁ。
露骨に音がフン詰まってりゃフレットぶってるのは分かり易いが、それだと細くなるしアンサンブル内では他パートのより目立つアタック音に負けてBassの入ってるのがうやむやになっちまう。
この曲で私的指摘点としてはBassの聴き取りが、Roger Glover本人に依るRemixのだけが優れてる処。
アンサンブルとしての効果は聴き取り差があっても大差無いからこそ、確実に拾えないと分析には不充分な気がする。
4.All Down The Line-Rolling Stones(奏者:Bill Wyman 1972年)
ここからピック拘りから一旦離れるがBassの♪(8分音符)連打でも、エレキでStaccatoにするとどれ位の効果があるかの例として選出してみた。
一編曲家としての立場からだとこの手ので最も有名なエレキGuitarのよりこっちの方が威力があるが、他パートから孤立した音域で刻まれるってのはかなり大きいよ。
その中でもっとテンポが速く更にシャッフルとかになって来ると、少なくとも私体験ではピック弾きじゃ無いと無理だったのを添えとこう。
そのネタ元としては3.と同じアルバムに入ってるLazyって曲の「歌のバック」のが凄く、「ダーカダーカ」みたく後ろだけ切りゃ良いなら指でも可能だが「ダッカダッカ」となるとね。
少し余談るが実はStaccatoってRockのリズムではとても重要素で、8Beatを強調→♪連打が多用されがちな中では貴重なバリエーションなのだ。
その歯切れの良し悪しが又モノを言い、奏力もだが常用される楽器の違いにも深い関係があるのよ。
音域の低い生楽器だと発音源をミュートしても大きなボディに響かせてるんで、それが終息するのにそこそこ時間が掛かっちまう。
故に高音域のだったらそんなじゃ無いが、BassみたいなのだとそれがウッドBassのかエレキやOrganやSyntheのかではかなり差があんねん。
弦長に極端な差が無い場合生楽器の方が余韻は短いんで一般用途ではさして問題にならんが、音のある処と無い処の白黒をハッキリ付けたいとなると電気楽器以降のじゃないと厳しい。
あまりにベタで王道な例示なんで先刻ご承知の人の方が多かろうが、単に知ってるのと「足りるだけ分かってる」は一緒じゃ無いんですぜ。
趣味的要素に関してはどっちでも構わんけど、曲表現のポイントは理解出来てないと応用が利きませんから。
近年本邦では王道って酷く失念気味に扱われてるが、Rockらしさに直結してる部分なんで俺は死ぬ迄妥協出来ないだろう。
<つづく>
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