音楽備忘録817 魔改造悲喜こもごもⅤ➌
改造の記にしては多方面の背景談が盛り沢山だが、音の為・音楽の為となると端折るべきでは無い重要な部分なので暫し我慢を。
ってのも毎度の私的ではあるがこの面で劣ってるせいで日本は大損してると思われるからで、それはどの分野にも当て嵌まるんだけどさ。
例えば生Pianoにしても数の多さじゃ圧倒的だが、楽器自体のコンディショニングへ目を向けると比率的には同じで無い気がしてならないんだ。
それ以上に勿体無いのが今回のみたいなので、結果的にスピーカが宝の持ち腐れになってたも同然だ。
何処をどう調べても情報が全く不足してるんで微妙ではあるが、試験から40W以下であればどんなに低音過多にしても歪まないのが判明したんだ。
海外有名ブランドの現行品でも案外これをクリア出来て無いのが少なくなく、宅の本務機で交換したPeaveyのウーハにそっちは高域の方だが想定外音質のを入れてトラブったのも過去述したよね。
それでもしかしてと思って良く聴いてみたら、Booker T & MG’sの作品なんかにスピーカストロークが「底突き」してるのなんかがあったよ。
但しスピーカがウーハタイプで底突きしても高域が幾らも出ないのもあったし、もしかしたら意図的にワイルドさを求めてそうしてた可能性だって排除出来ないんだけどね。
日本は楽器とかでも事の他故障を嫌うからそれでってのもあろうが、兎に角「歪まないで出せる大きい音」に忖度してたんでせう。
資料の乏しい中ネット上で何とか見つけた取説に幸運にも回路図が載ってたんで、回路分析として所謂「定数計算」ってのをやってみただす。
したっけ音量以外にも事情は考えられるにしても、かなり極端に低域も高域も削ってあったじゃないの。
要は中域を徹底的に強調してて、増幅素子の欠点の石の硬さを極力隠蔽(オッと失礼)したかったのかな。
確かに害になる成分をなるべく減らすのは好ましいんだが、幾ら昭和の当時だって誰もが丸くて軽い音色を望んではいなかったんだけどなぁ。
求められるレンジの広さが現代の方が拡がってもいるが、わざわざスピーカを他より8cm大きくしといた意味が殆ど失せちゃってたとね。
因みに時期的なものもあってかパワー段の方はかの名器Jazz Chorusと良く似た設計で、こちらには余計な音質調整なんて一切されていなかった。
輪を掛けて珍妙なのがスペクトラムって名称を与えられた独自機能で、もっと昔からあった所謂プリセットトーンってのと実用上は全く一緒。💧
只回路素子がディスクリートトランジスタからオペアンプICに変わって、電気的には異なる方法でその特性を得てたからなのか知らんが。
で 具体内容は特定の中域を強調する機能になってたが、魔改前は5つあるポジションのどれも使い物にならなかった(少なくとも俺には)んで無用の長物と化してたんだ。
しかも全く同じ個所で先述の低・高域削りも行ってて、せめてスペクトラムをOffったらフラットになる様にしてあったら良かったのにね。
まさかそれでスピーカが12inchだと完全に「Guitar Ampに繋いだBassの音」になって、サイズアップしたんじゃ無いだろうけど。
因みにⅡでRolandは楽器用AmpみたいなのにオペアンプICを使い出したのは早い方で、Effector(主にストンプ)の方ではそれで大成功を収めてんだけどね。
設計面で一寸離れと母屋の機能を間違えた、みたいになってたのは残念な事したんじゃないかな。
<つづく>
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