音楽備忘録813 音の物理的歪みと電気的クリッピング➌
今回は現物楽器での歪みへフォーカスしてくが、ついでで前回のエレキBassの俺言い「弦打ち」の得失も。
これって多分又々俺言い「現物楽器歪み」を実感し易そうでもあるんで、もし即座にピンとは来ない様だったら試してみると良いかもよっと。
現物歪みって段々省略が進化してるのは気にせず行くと、Pianoみたいに失奏しても露骨には音が潰れないのとそうで無いのの2つに大別される。
音楽的ニーズに依っちゃ意図して潰れてくれると助かる際もあるが、ここでの本題にはそぐわないから弦打ち追記だけに今回は留めとこう。
その本題を再確認しとくと「別物の音色を出す気は無い」とでも言うもんで、ギミック感満載になっても良いんなら例えばテープの逆回転サウンドみたいなのだって構わないかんね。
激変させるのだって必ずしも簡単ではないが、明らかに同じ楽器と分かるのに「ひと味違う」のを出す方がもっと大変なのよ。
けどそんなのがアンサンブル内ではニーズが最高潮で、特に音量は大して変えずに音色だけってのが又難しい。
ここで毎度の釘刺しと参るが他が聴こえなくなる様では、大勢居る中で目立つとか強いにはならないのを心して頂きたい。
弱い奴に勝った処でどの程度強いかは分からんのと同じで、暴力的音量だけで得られる支配権では訴求力の有無は不明のままなのだ。
一寸物騒な物言いへ置換するなら殺さずに勝ち続けられるってなもんで、殺しちゃったら次の対戦は永遠に来なくなるから果たして実力だったのか単なる運だけだったのかの追加証明は不能になるでしょ。
尤も生楽器なら余程の怪力か電気楽器ならアンサンブル的にミスマッチなAmpでも持って来なきゃ、爆音系だと凌駕するのはおろか完敗しない様にするので精一杯の方が断然多いけどさ。
特に「石のAmp」では再生音量限界がかなりハッキリ線引きされてっから、僅かな「あと一寸だけ」も許して貰えん事が多い…。
わこの辺にしといて非電気利用のだって機械的限界はあるから、限界域が少し曖昧・鷹揚になるだけで幾らでも無理が効く訳じゃ無いよね。
只奏で方を工夫すると音量は微増に留まっても音色の方でプラスα獲得が可能で、エレキBassのサムピングなんかだと普通にはじいてたのより遥かに超低域を出す事さえ出来ちまう。
但しその低域は音程とのリンクが脆弱なんで、「何か鳴ってる」には強力だが音程感堅持には仇になり易い。
その原因は前回から語り出してる弦の主な「振幅の方向」の差にあり、内容的には「指板へのぶつかり易さ」に違いが出るからだ。
こちらの詳細は言葉のみでは分り難そうだから次回久々で図解するとして、原理に対しては邪道だがそんな真似が出来るのも3次元に実在してるならではだ。
実物弦は支点間は空中にあって自由だが、電気(実体は電子)だと電波化(電磁波)させん限り導体から離れて自由に動いたりゃ出来ない。
ゆがみ歪みの仕方させ方に関し電気側で可能なのは、波形の上下で頭打ちになる電圧を違える程度。
電子回路では球や原始的回路では多少の曖昧さは出せるにしても、3次元実在 のみたいな露骨な邪道をさせる事は不可能だ。
なので厳密には導体にも僅かでも厚みはあるが、この件に限れば2次元扱いした方が相応しそうだ。
この差が音にどう響いてるかってば、出せる音色の種類の多少に繋がってんだ。
因みにサムピングに依る超低域も普通弾き音源+極端なEQの増し盛りで、部分的にならある程度は再現可能かも知れん。
がスラッピングプル時の方がそれだけでは出せないし、盛り捲るとプルっても重過ぎてサムとの音質落差を縮めちゃうんじゃないかな。
更にその先まで行っちゃったらどう弾くか以前に、触れただけでMicを吹いたみたく「ボコ」ってなったりするんじゃない。
「口バスドラム」にならお誂え向きだけど、Bassではアタック以外の継続性のある音程が聴き取れないと役立たずになるケースが多いからねぇ。
<つづく>
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