音楽備忘録818 音の物理的歪みと電気的クリッピング➍
んだば俺言い「弦打ち」の図説を行くが、先ずは現物だと自由に随時選べる・変えられるってのだけ覚えといて貰えりゃ良いわ。
変わっちゃうからこそ上手く扱えないと欠点にもなり兼ねんが、将来今迄と全く違う曲を弾かなきゃなんないかもと思えば安定より可能性の広い方が良いんじゃないかな。
上図ははじく向き次第でどんな範囲で震えるかを、初期弦振幅時の可動範囲をブリッジ側からの縦断面で示してみたものだ。(時間か経てばどれもほぼ円になってく)
実際にはフレットや指板と重なってる部分へは当然弦は行かないが、方向次第で弦にくれてやったエネルギーの有効度を示したくてこんな風に描いてみた。
左のが恐らく最も一般的であろう可動域を緑で書込んだので、図のはピック弾き・ダウン時想定なんで親指以外の指弾きとピックでもアップ時には傾斜は反対になる。
真ん中のが最も被害の大きい!? パターン・右のが俺がBassで普段狙ってる軌道で、弦高が極端に高くでも無い限り強く弾きゃこれでも影響は出始めるが。
真ん中の赤→左の緑の順に重なりが広く、それだけ折角大きく弦を動かしても即座に振幅制限が掛ってしまう。
のが右の青範囲はフレットには接してるが重なりが殆ど無いし、最も振幅の大きくなる図では水平方向には直接的な邪魔は入っていない。
だからって提唱者!?の俺だって必ず右のしか使わんでも無いが、左や真ん中になっちまうと弾いた強さに比例した基音は出なくなっちゃうのを誰でも知ってて損はないんじゃないかな。
右の軌道になったって横槍は入るんだから、接触し出すとそれ以前よりゃリニアには増えなくなるけどね。
更に掘ってくと弦でも太鼓の皮でも叩いたはじいた瞬間は、弦や皮は直接力の掛かる部分が狭いので倍音は多目になる。
特に接触面の形が弦や皮の自然な撓りに逆らうの程出易くなり、皮へチップがめり込んだ様なのが状況をイメージし易いかな。
「めり込みの反動」は範囲が狭いから高次倍音を生むが、同時に全体も大きく動かされてるから基音もしっかり出るとな。
とは言え基音忖度としては邪魔は入った状態なんで、アタック音終息後の方が基音割合はもっと多くなる。
そして振幅エネルギーが最小になる余韻後部に至ると、もう全体を震えさせる力が残って無いんで又倍音の方が主体となって行く。
さてここからが今のテーマでは核心になるんだが、軌道エリアの選択次第で「同じ強さで奏でても違う音色」になる。
それが弦のはじく位置を変えたのとは又別なのがミソで、位置違いは振動のさせ方が・角度違いの方は弦が接触する以降の強さでは軌道の歪みがその源となっている。
接触前の強さでもPUとの距離等に違いはあるが、軌道エリアが強制的に変形されられた時程の音色変化にはならない。
そして物理的に起きてる現象はゆがみ・歪みなのに、音色的に耳にはあまりそうは聴こえない処が重要な特異点なのだ。
質的には電気的加工のだとコンプリミッタの方が近いが、弦と空気が実在してるお陰で遥かに境界域の変化の仕方が滑らかなのだ。
弦は勿論その周囲の空気も全てが繋がってて接触してるんで、寧ろ急な変化が出来ないだけなんだけどね。
故に露骨な急変が欲しくば電気の方が向いてんだけど、バレない様にコッソリやらかすにはこっちじゃないと厳しいんだす。
インスタ盛り用アプリでそんなのが作れたらさぞかし重宝されそうだが、あんまり良いのが出来ると全ての証明写真に迄疑いが持たれる様になるのかな?。
けど音の方のこれは唯の自然現象でもあるからそんな心配は皆無だし、決して偽物とか嘘にはならんってよりゃこっちは正真正銘の本物なんだからね。
<つづく>
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