音楽備忘録833 音の物理的歪みと電気的クリッピング➑
続いては両者に共通の近年顕著になった課題についてで、一言でだと音楽的に有効な歪み領域が減少一方となってる件だ。
もっと良い音にしよう・それが達成されたらなるべく破綻しない様にと、元は全く悪気はなかったんだろうが…。
一等偏ってた時期のピークは何とかやり過ごせたみたいだが、音響学の中で楽器のだけこの面では遅れを取っちまってたんだと思うんだ。
机上理論や化学分析に則れば歪みはご法度なんだけど、楽器は生身の人間が時には理屈度外視で感情に任せてなんてのもあるものだ。
これってもっと単純化すりゃ「どんな無茶苦茶されるか分かんない」に限りなく近く、どう扱われるか不明で想定外も大アリとなると歪みの完全回避なんてどだい無理な相談なんすよ。
ではどうやって少しでもそれに対抗させるかったら、少し位歪んでも聴ける音になる様にするのが唯一の道なんざんす。
処が残念にも日本の楽器製造界では古くなった思想を引きずってるのか、演った無茶さ加減が殆ど出音に反映しないのばかり。
初期の内はそれ迄のが歪み易過ぎたりするのしかなかったから良かったんだけど、一寸やり過ぎ追求し過ぎてブランド固有の音色を創作する分が疎かになってんじゃねっと。
Micや録音機の方は製造国無関係にこうなるのはオーディオなんだから仕方無いが、楽器で賄い切れなくなった分を助けて貰うには厳しい状況だ。
電気楽器なら楽器Ampである程度は何とか出来るが、↑みたいな俺言い「石頭の生楽器」だとEffect以外ではここしか余地が残って無いからねぇ。
これもあって俺は趣味や貧だけで古い楽器を使い続けてんじゃねえんだが、買ったのが大昔だから自動的に古くなっただけってのは年の功も同然。
そこでもし全てをこれから集めるとしたら楽器本体だけじゃ足りるか分からんので、対象を古Micを始めとして広げて考察して来たんだす。
本邦で特にポピュラー系では古Micの有効活用例が見つからないんで加減の不明なのは何だけど、Classic寄りの弱小さんではそこそこ実例があるんだ。
が皮肉な事にRock系こそ激しく無茶したのが分かり易くあって欲しい処で、過加工依存に走ったのもガラパゴス化の促進に繋がってる気がすんのよ。
かなり作り込まれて良く出来たEffectorでも、それがデジタルバーチャル領域で行われようと所詮この件では「電気的クリッピング」の基本性質からは逃れられて無い。
そんな事ぁ無い現代のシミュレーション技術はとっても高度で…とお嘆きのアンタ、チョイ待ち。
確かに技術的にはシミュ不可なのはもう殆ど無くなってるが、分かってても迂闊に全要素は搭載出来ないんですよ。
音源が生楽器の場合普通人耳にはそれを鳴らした空間由来の成分が混入してるが、これの状況とMicの距離とかって無限の数があるですよ。
しかもこっちの望みとは正反対に近い位でも拾うには「空気のある場所」と「Mic構える」は省けんで、Effectorの方に載せといても収音側のを消せんから妙ちくりんな「2重掛け」にしかなってくれんとです。
なので極力実在部分の方で何とかせにゃならんのやが、狭い日本じゃ場所が最も最適化が厳しい。
んだば次に楽器はってぇと、これが規模の大きいヤツはお値段も比例しておっきい。
となると消去法でしか無いがサイズ・お値段共々最も手に届き易いのはMicになり、更にケチらなきゃならんとしたら「Micの位置と距離」の他にもう手段が無いんす。
んでこの最後の次善策で期待するのは「その場所の空気の反応の違い」で、音量差に依る楽器音色変化巾が小さくても音量が違や少しは響きとかに別の差が出るだろうってね。
<一旦終了>
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