音楽備忘録820 他を出し抜く音創り⑧
先日一応自らのスタイルが確立してるのに残念なプロに遭遇したんで、それに纏わる話を少々。
この件で最も意外・不思議に思ったのは音大でちゃんと学んでて、場所も機材も申し分ないのを使っててそんなになってた処だ。
残念サウンドの主は自作・自演のトリオで、機械を使いもするが可能な限り自演するし必要なら客演奏者も使ってる。
強いて擁護するならどちらかってぇと皆作家寄りの集団みたいだが、オファーを受けて映画の主題歌等が既に世に出てる状況だ。
普通…かなりじゃ無くてもその位の段階に到達出来てたら、録音音質も演奏も仮に大した事無いにしても誰もが気楽に耳に入れられる程度にはなってるもんだ。
正式な式典みたいにドレスコードみたいなのが音楽(特にポピュラー系)には明確にありはしないが、曲と歌手の声質以外はアマの自主制作よりパッとしないってのは俺は初遭遇だ。
演奏内容にミスらしいミスは無いと言っても、恒常的にDrumが遅れて出て来るままになってるのはどうにも解せない。
又音質で妙なのは無加工っぽく仕上げてるにしては平坦過ぎるし、生演奏固有の鮮度ってもんが完全に喪失していた。
時にはミスっててもシレッとそのまま出しちゃう俺みたいなクズが居るにしても、鮮度を最優先とした結果なだけで非身内の仕事や作品ではそんな雑な事は一切していない。
↑にしたって勢いやムードが全てのRockの限定で、心地良いPopsだとか繊細なBalladeでは粗野な俺だって死にそうになったって綺麗に決まる迄録り直すさね。
では順に不思議な点を詳述してくが生とか人間味に拘ったんなら、例えリズムがズレててもそれなりの一体感がある筈なんだ。
これは合奏しようとすれば嫌でも露呈するもんで、逆にかなりの達人が集まっても「絶対迎合させん」と演れば家電店のTV売り場みたいな訳の分からん音になるからねぇ。
近年では実例が中々見つからなくなったが、過去にはサイケとかHard Rockやプログレ系等ではわざと混沌とさせるのに実際に使われてた手法なんだ。
翻ってそこ迄リアル生感に拘らんのなら収録時にズレてたって今はデジタルで簡単に修正出来るし、この太鼓みたいに比較的コンスタントに遅れてるならアナログテープでだって小細工が利いた位なのに。
お次は他は全部典型的なOn Micサウンドなのに、太鼓だけ明らかなOffの音でいてやたらと空間感に乏しくしてある!?謎の件だ。
全体も夫々もが妙に平坦なのはもしかしたら派手嫌いなのかも知れんが、それならリズムや音程の不穏な部分は必ず修正をしなくては意味を為さない。
結果的に音質は大昔の無機質な打込みに近く、それでいて機械ならではの安定感だけがお留守って変な感じになっちゃってるよ。
プロだってピンキリだから単なる下手っぴとか頭デッカチで音の実情に鈍いだけったら、それ迄の話しなのかも分からんが。
それでたまたま録音現場の写真が閲覧出来る様にしてあったんで眺めてビックリ、全部パート別に収録したらしいんだ。
となると考えられる元凶は唯1つ、はては中途半端にClickを使って妙な依存の仕方をしちゃったんでしょね。
恐らくDrummerさんだけ不慣れを無理したんだろうで、そりゃ「聴こえてから」叩いてたんじゃ間に合う訳ゃ無いですよ。
それだって録ってからトラック全体を少し前へ寄せちゃやどうって事ぁ無いし、万一それが嫌なら手間は増えるがこれ以外のトラックを後ろにズラしたって良かんべ。
最後に呉々も付記しときたいが単にディスろうってんじゃ無く、俺自身も含めどうしてそんな残念になっちまってるか再考してみましょって事なんだ。
ネットが無かった時代ならラジオその他で流して貰うのに、何か不備があったら教えて貰えた。(現実の状況としては殆どバカにされたり怒られたりだったが💦)
けどネットでは倫理コードに抵触せん限りどんなに出したら損する様なのでも、意図的に誰かにお伺いを立てん限り出せちまう。
<つづく>
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