音楽備忘録779 楽器の明瞭度の話し⓮
前回は出す側案件だけで紙面が尽きたんで、今日は受ける側専で行ってみよう。
近年最も気にされるのは所謂ディテールが多数派を占めてる様だが、全体より細部に拘るのって厳しい表現にするとその実「供給側のエゴ」でしかないんだよね。
この件何を隠そう俺自身も日々苦闘中の身で、Liveだと諦めなきゃなんない事も少なくないからなるべくなら全部拾っときたいとつい思っちまう。
只最近になってこの誤った呪縛から解かれつつあるのは、もう昔みたいに「劣音」じゃ無くなってるんだからってのだ。
今だってMicは超Onの方が細部の拾いは抜群に良いが、細部が実音を著しく凌駕してるのにだけ気を取られ過ぎてた嫌いがある。
楽器もAmpも近年のになる程その音色が細密化してる感じがあるが、一般聴者が最初に捉えるのは全体像の方が圧倒的に多い。
それからすればこっちが「ディテールヲタ」化してると看做せ、それも文化だと言っちまえばそれ迄だろうけどさ。
けどフュージョン系だとか元々顧客にヲタが多いジャンルなら未だしも、Popsなんかでこれを全開でやるのはお門違いなんじゃないかってね。
今こっちの業界側で明瞭度っつうと相変らず高域やアタック音ばっかで、それが貢献してくれるのはリズム面だけだ。
チューニングメータの普及で肉声以外は大きく音程が外れる事は少なくなってっけど、ズレてるって程じゃ無いのとバッチリハモってるではそれに依る明瞭度の差ってかなりあるんですよ。
複数音が共鳴するとそれ独自の倍音も生成されるんだが、それが平均律では無く純正律になってると原音に対する明瞭度貢献度が最大になるん。
これを活用しようと思っても打込みだととても困難で、人力生時より手加減なんてのがし難いからだ。
その代わり打込みは安定度では勝ってるのからすると、機械でも賄える様になったのを今更人力で演るならもっと重視すべきファクタだと思うんだ。
さてこれも倍音なんだから高域が充実してりゃ良いと思うだろうがさに非ずで、元の構成音の中域が不足してるとちゃんとは生成出来ねんだわこれが。
出て来るのは高域でもその「材料」はハモった中域だからで、各楽器が出してる倍音の内容を今一度精査して見ると良い。
その楽器らしさを司る倍音って音程に無関係なのも少なくなく、だからこそどの音程を鳴らしてもGuitarならGuitarのに聴こえたりする訳ですよ。
それが楽器毎に全部違ってるし差の大きい程違うのが鳴ってるのが分かり易くなるんで、余計に皆バラバラになってんの。
それを下手に強調し過ぎとくと「ハモらない倍音」が増大しちゃって、折角上手くハモって生成された倍音があっても駆逐しちまうんだ。
複数音なのに単音より却って目立つのもハモりのご利益で、単体時では絶対に得られない共通倍音で実際に明瞭度が上がってるんよ。
凡人である以上エゴを皆無にするのも難しいなら、せめて個人じゃ無くてもっとアンサンブル単位のエゴを敢えて持ってみるのも一興かと思うんだ。
何れにしてもセコイ機材にアホな俺みたいなのは過去の話しで、何時までも上下ばっか気にするなんてもう古いっての。
そう思ったって実際古い俺みたいなのは習慣を改めるのに四苦八苦、だからこそ呪縛が無くなってからの若い人がそんなんしてたらもっとカッコ悪くていけねえよっと。
<つづく>
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